朝日ラバーはミツフジ、埼玉大学と簡易的に睡眠ポリグラフ(PSG)検査が可能な着衣型のウェアラブルシステムの開発を開始

■睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者のスクリーニング検査の普及や早期発見・早期治療の促進に貢献

 朝日ラバー<5162>(JQS)は、ミツフジ、埼玉大学と共同で、呼吸波形を計測できるウェアラブルシャツとの組み合わせにより、簡易的に睡眠ポリグラフ(PSG)検査が可能な着衣型のウェアラブルシステムの開発を開始した。これにより、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者のスクリーニング検査の普及や早期発見・早期治療の促進に貢献する。
 なお、この共同開発は、17年度の埼玉県新技術・製品化開発費補助金事業に採択されている。

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対策として、症状を自覚していない潜在患者数が多いことから、睡眠ポリグラフ(PSG)検査の早期受診が奨励されているが、医療機関での検査は泊りがけで、しかも高額な検査費用がかかる等課題がある。

sei1.jpg


 今回共同で開発する簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステムは、呼吸波形を計測できるウェアラブルシャツとの組み合わせにより、簡易的に睡眠ポリグラフ検査が可能となる。

 正確に、そして簡易に心電図や呼吸情報を収集するため、導電繊維を用いた着心地の良い素材に、胸やお腹のふくらみに密着させ、身体の動きによる伸縮などの変位に対応できるゆがみセンサを取り付けて、簡易的に睡眠時無呼吸症候群(SAS)をスクリーニングできる製品の開発を目指す。

 ミツフジは、素材からクラウドシステムまで、IoTウェアラブルデバイスのトータルソリューション「hamon(R)」を提供する企業で、導電性を保ちながらも繊維としてやわらかい質感と柔軟性を持つ、独自開発の銀メッキ導電性繊維「AGposs(R)」により、呼吸運動を計測するためのゆがみセンサを組み込んだウェアの開発を担当する。

 同社は、ゴムとゴムまたは樹脂・金属との接合において、接合面の特殊な表面処理と加圧により、従来の接着工程のような高濃度の接着剤塗布や高温・高圧を必要としない独自の分子接着・接合技術を活かして、銀メッキ導電性繊維に弾性素材を強固に被覆することができる。その弾性素材に導電性ゴムを採用することで、抵抗値変化を一定に保つ軟質素材で被覆した伸縮性銀メッキ導電性繊維電極との複合構造体の開発を担当する。

 埼玉大学は、着衣型ウェアラブルシステムを用いた簡易SASスクリーニングシステムの性能評価および最適設計を行う。医療用装置などリファレンスとしたエビデンスの取得も行う。

 開発スケジュールは、17年6月下旬から18年2月の期間に、試作作製、データ取得、基礎技術確定、サンプル作製を行う。
 18年3月から19年3月までに、現場での実証データを取得し、手直し調整を行う。販売開始は、19年4月からとなる予定。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る