【株価診断】エンバイオHDは今期減益織込み来期の回復を買う展開

株価診断

エンバイオ・ホールディングス<6092>(東マ・売買単位1000株)は、523円と買われ昨年11月以来久々に25日線を上回り出直り相場となっている。昨年来高値は14年3月の2581円と天井は高く値幅妙味がありそうだ。

2015年3月期は不振だが、2016年3月期純益は今期予想比7.4倍増益見通し。土壌汚染対策事業や土壌汚染の購入・浄化・再販を行なっている子会社を傘下に持つ。首都圏を営業基盤としているが、最近では沖縄や大阪など西日本への進出に精力的だ。また、土壌汚染の深刻な中国でも地質調査の営業育成に力を注いでいる。また、収益性の高いことから大型案件の土壌汚染対策事業にシフト中。

2015年3月期は、この大型案件の売上高計上が想定以上に時間がかかり、しかも、資材費の高騰もあって売上高19億4400万円(前期比7.8%減)、営業利益3800万円(同83.4%減)、経常利益2700万円(同85.5%減)、当期純利益1400万円(同86.4%減)と減収大幅減益を余儀なくされる見通し。予想一株当たり利益は3円50銭(前期36円80銭)に急落する。

これを受けて株価も急落。2014年3月19日に2581円の高値を付けて以来、ほぼ一本調子で下げ続け、2015年2月5日には480円まで売り叩かれた。この下落率は81.4%にもなり、底値を目安となる「半値八掛け二割引き」以上の下げを記録した。これで、値幅調整は完全に終了し、今期大幅減益見通しという悪材料は織り込んだと判断できそうだ。

こうした中、来期の業績は急回復に向う可能性が強まっている。これは前述した利益率の高い大型案件の売上高が計上されるためで、全体の売上高は25億円(今期予想比28.6%増)前後、営業利益2億円(同5.3倍)前後、経常利益2億円(同7.4倍)前後、当期純利益1億円(同7.1倍)前後を確保するという観測が出ている。

これを前提とした予想一株当り利益は24円前後に回復することになり、PERは20倍(今期ベースでは140倍)と一気に割安となってくる。

まず、700~800円への戻りは見込めそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る