ヨコレイ:中計最終年度を見据え、着実に成果

■食品販売が寄与、売上高4.8%伸ばす(第3四半期)

 冷蔵倉庫事業の大手であるヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)の2017年9月期第3四半期累積業績は、第五次中期経営計画「Flap The Wings 2017 」最終年度を控え着実な成果を収めた。
 なお、通期業績については、2016年11月14日開示した、売上高1,650億円、営業利益57億円、経常利益57億円、当期純利益32億円を据え置いた。

 当期中の概況は、冷蔵庫事業が期初の在庫水準が前期比で下回ったことから、上半期は保管収入が減少したが、春以降実需取り込みで成果を上げ増収に転じている。食品販売事業は、畜産品の利益率改善と今期から連結対象となったノルウェーの鮭鱒養殖事業が収益を底上げした。
 その結果、第3四半期累計の売上高は117,699百万円と前年同期に比べ4.8%の伸長を見た。

■3Q実績:「冷蔵倉庫」着実に・「食品販売」大幅に伸ばす

 セグメント別業績では、「冷蔵倉庫事業」が着実に業績を維持し、「食品販売事業」が大幅伸長した。
 「冷蔵倉庫事業」は期初から荷動きも堅調に推移し、冷凍食品・畜産品・農産品の入庫が大幅に増加した。
 同社が計画的に建設を進めている物流センターが順次稼働し着実に業績に貢献。タイにおいては経済の停滞が懸念されたが、既に回復基調に転換、連結子会社タイヨコレイの業績も回復基調になった模様だ。貨物取扱量は入庫取扱が前期実績より約39千トン(4.1%)、出庫取扱量が約24千トン(2.5%)それぞれ増加したが、荷動きが早めに進み、平均保管在庫量は約127千トン(4.8%)の減少となり、売上高18,906百万円(前期比1.1%増)、営業利益4,458百万円(同3.0%減)となった。

 「食品販売事業」は、水産品の輸出増加、畜産品の利益率改善が部門の業績に寄与し増収増益となった。
 水産品は、ノルウェー事業が、鮭鱒類の取扱いを大幅に増やし、業績に寄与したのに加え、ホッケの取扱い量が増加した。一方、カニについては価格高騰が、またホタテは天候不良の影響を受けそれぞれ利益率が低下した。
 畜産品は、取扱量のコントロールが的確であったチキンが利益率を改善し、ポークは外食向けの販売が伸長し寄与した。
 農産品は、昨年の北海道で台風被害を受けた主力商材の馬鈴薯・玉ねぎが生産量大幅減少となったが、販売面での効率的対応が奏功し利益の減少を最小限に留めた。
 その結果、売上高98,747百万円(前期比5.5%増)、営業利益1,655百万円(同31.9%増)となった。

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