ノーベル物理学賞の「重力波」関連銘柄は「JSPではなく株式会社ジェイ・エス・ピー」

株式市場 銘柄

■株式市場関係者の間で勘違いされたが、「エリオットの波動論」では一段高の可能性

 10月4日の株式市場では、2017年のノーベル物理学賞に「重力波」を世界で初めて観測した米国の科学者が選ばれたことなどを手がかりとして、日本の「重力波」観測施設「KAGRA(かぐら)」(低温重力波望遠鏡)に関連する銘柄が値動きを強めた。

 市場関係者の間で関連株として挙げられていた銘柄は、鹿島建設(1812)、住友重機械工業(6302)、東芝(6502)、富士通(6702)、シグマ光機(7713)、JSP(7942)、興研(7963)など。シグマ光機は一時16%高となって2006年以来の高値に迫り、JSPは終値で3%高となり2000年に入ってからの高値に進んだ。

 しかし、この中で日本の「重力波」観測施設の関連銘柄とされたJSP<7942>(東1)は、実際には、防音や音の制御技術を扱う専門メーカーの株式会社ジェイ・エス・ピー(本社・愛知県北名古屋市)が関連企業であり、東証1部上場のJSPは直接関係していないことがわかった。

 JSPの株価は、好業績を映す形で2016年の半ばから波状的に上値を追う展開が続いており、16年8月から12月にかけては約900円値上がりし、微調整をはさんで17年4月から8月にかけては約1200円の値上がりを示現している。

 直近、10月に入ってからは再び上値を追い始めており、微調整は一巡した印象だ。このところの値動きを米国の古典的な相場観測方法のひとつになる「エリオットの波動論」に当てはめると、大局的な値上がり局面では、調整をはさみながら「上昇第1波」「上昇第2波」「上昇第3波」を描いて次第高になるとされるため、直近の値動きは「上昇第3波」入りをイメージさせるとの見方が出ている。(HC)

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