アンジェスは調整一巡して反発期待、HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)の年内承認申請目指す

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 アンジェス<4563>(東マ)(アンジェスMGが7月1日付で商号変更)は、遺伝子治療薬、核酸医薬、DNAワクチンの開発を推進している。重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬は国内で年内の承認申請を目指している。株価は7月の年初来高値から反落して上値を切り下げたが、調整一巡して反発が期待される。なお10月30日に第3四半期決算発表を予定している。

■HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)などの開発を重点推進

 重点的に推進する開発プロジェクトは、重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬、椎間板性腰痛症を対象とするNF-kBデコイオリゴDNA、高血圧を対象とするDNAワクチンとしている。

 重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬は、医師主導型臨床研究で予定していた6例の症例登録が17年5月完了した。そして17年8月には6例目の被験者の投与後の観察期間が終了した。今後データの解析・評価を行い、国内で再生医療等製品として17年秋の国内承認申請を目指すとしている。

 椎間板性腰痛症を対象とするNF-kBデコイオリゴDNAは、17年4月に米食品医薬品局(FDA)から新薬臨床試験開始届け(IND)の承認を取得した。カリフォルニア州立大学サンディエゴ校など、米国数ヶ所の施設において第1b相臨床試験を実施する予定で、17年後半の投与開始を目指している。

 なお17年9月には、尋常性乾癬(かんせん)を対象としたNF-kBデコイオリゴDNAに関する特許が欧州特許庁において登録されたと発表している。日本では既に12年5月に登録されている。

 高血圧を対象としたDNAワクチンは、第1・2相臨床試験開始に向けて17年7月、オーストラリアの規制当局である薬品・医薬品行政局(TGA)に臨床試験届け(CTN)を提出した。17年後半の投与開始を目指している。

■17年12月期は赤字縮小予想

 今期(17年12月期)の連結業績予想は、売上高が3億60百万円、営業利益が34億円の赤字、経常利益が34億円の赤字、純利益が34億円の赤字としている。前期との比較で赤字が縮小する見込みだ。

 なお資金調達については、17年9月に第31回新株予約権(リーディング証券に対する第三者割当方式、行使価額修正条項付、総数12万個=1200万株)を発行している。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価は7月の年初来高値884円から反落して上値を切り下げたが、600円近辺で推移して調整一巡感を強めている。10月26日の終値は600円、時価総額は約472億円である。週足チャートで見ると26週移動平均線が接近して下げ渋る動きだ。調整一巡して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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