巴工業は目先的な過熱感解消して上値試す、18年10月期も収益拡大期待

日インタビュ新聞ロゴ

 巴工業<6309>(東1)は遠心分離機械などの機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などの化学工業製品販売事業を展開している。17年10月期は増額修正して増収増益予想となった。18年10月期も収益拡大が期待される。株価は06年来の高値圏から一旦反落したが、目先的な過熱感が解消して上値を試す展開が期待される。

■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開

 遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱として、中国・深圳ではコンパウンド加工事業も展開している。

 16年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業26%、化学工業製品販売事業74%、地域別売上構成比は日本82%、アジア14%、その他5%だった。収益面では機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。

■17年10月期増収増益予想、18年10月期も収益拡大期待

 前期(17年10月期)連結業績予想(9月19日に増額修正)は売上高が前々期(16年10月期)比4.1%増の408億円、営業利益が9.6%増の21億60百万円、経常利益が22.5%増の21億80百万円、純利益が56.0%増の15億10百万円としている。配当予想は前々期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)で予想配当性向は29.7%である。

 機械製造販売事業において海外向け大型案件の販売が寄与する。化学工業製品販売事業においても、工業材料分野の住宅・建設用途向け材料、電子材料分野の半導体製造用途向け商材が伸長する。今期(18年10月期)も収益拡大が期待される。

■株主優待制度は10月末に実施、ワインを贈呈

 株主優待制度は毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容はワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。

■株価は目先的な過熱感解消して上値試す

 株価は06年来高値圏2300円近辺から一旦反落した。10月末の配当・株主優待の権利落ちも影響したようだ。ただし自律調整の範囲だろう。

 11月2日の終値2161円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS151円33銭で算出)は14~15倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.1%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2522円81銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約228億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る