過熱感ないが売方の買い戻し一巡で「春の嵐」が吹きそうです=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

犬丸正寛の相場展望 来週はアメリカの雇用統計発表を控えていることと、日経平均が2月3日の直近安値1万7271円から27日の1万8865円まで17営業日で9.22%と比較的大きい上昇率となっていることから、「春の嵐」が吹く心配はありそうです。

出来高、売買代金では、とくに過熱感はみられないものの、短期的な値上がりの大きさということでは、「出来高過熱感」ではなく「株価過熱感」といえる状況です。週足26週線とのカイリ拡大もやや大きくなっています。

先行した銘柄には利食い売りが出やすい位置となっているものとみられます。

しかし、NY相場も日本の相場も、「売方」が積極的に空売りを仕掛ける展開でもなさそうです。マーケットにとって一大悪材料だったギリシャ問題、ウクライナ問題が燃え盛ったときでも売り崩すことができなかったからです。逆に、足元では、ギリシャ問題とウクライナ問題で空売りしていた売方が買戻しに動いたことが今回の上げを大きくした一因のように思われます。

その売方が、買戻しを一巡させたと思われることが来週の相場調整の可能性を含んでいるといえるでしょう。

当面、気になる材料では、やはりアメリカの政策金利引上の「時期」と「幅」、そして「回数」でしょう。それらによって、好調なアメリカ景気と企業々績に影響の度合いが違ってきます。

イエレンFRB議長は、引上げは6月まではないという主旨の発言ですが、今回、多分、初めてと思われる、「6月」という数字が表面に出たことは大きいことだと思います。欧州、日本の景気に明るさが見えてきたことから6月引上実施の可能性は強まったのではないでしょうか。とくに、来週末発表の2月分雇用統計が高水準なら6月実施しが濃厚となりそうです。

NYダウは金利上げをあるていど織込んでいるとは思われますが、短期的には調整安のきっかけとなる可能性は予想されます。

先行した主力優良銘柄から、最近、動意をみせている新日本科学のような往年の人気材料株に物色の矛先が移る可能性が予想されそうです。中期投資なら主力優良株の押し目を3月の配当取りで狙うのがよいと思われます。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る