【話題株】大塚家具は3日連続ストップ高、配当利回り4%でも株価にモロさ

大塚家具

■13年ぶりの2000円台だがPERのメーターは振り切れる

話題株 大塚家具<8186>(JQS)は2日、3日連続ストップ高の2043円(400円高)で高値引けとなり、2007年以来の2000円台に進みました。出来高、売買代金はJASDAQ銘柄の1位となり、値上がり率は24.1%で第3位となりました。

2月25日に今期・2015年12月期の業績見通しを発表し、黒字転換や大幅増配を表明。さらに、同日の創業者・大塚勝久会長の会見に対し、26日には娘の大塚久美子社長が会見するなど、トップ同士の主導権争いがニュースなどで伝えられるにつれ、例年3月下旬に開かれる株主総会に向け、議決権の囲い追い込み競争、株式争奪に発展する思惑などが高まっています。

同社が25日に発表した今12月期の予想1株利益は4.86円ですから、株価が2000円に乗るとPERは400倍に達し、割高・割安の判断基準としては、「もはやメーターの針が振り切れて、スピードが何百キロ出ているのか分からないのと同じ状態」(市場筋)との見方があります。

一方、今期の配当予想は80円の見込み(期末一括、前期実績は40円)としたため、単純に割り算をした場合、株価2000円での配当利回りは4%になります。銀行の1年定期預金が0.2%などというご時勢ですから、株価の高下を無視して今年末まで保有するなら、めったにない高利回りということになります。もちろん、株価に変動が無いと仮定しての話です。

問題は、経営を巡るゴタゴタが長引くほどに企業イメージのダウンにつながりかねないことです。上記のように、配当利回りには魅力がありますが、仮に25日に発表した業績予想などに未達の可能性が出てくれば、配当は約束通りでも株価が下がりかねませんから、何のための配当狙いかわからなくなる恐れが出てきます。

投資家としては、前期の段階で有利子負債ゼロ、利益剰余金280億円という優良な財務体質を生かして、早く高収益の企業にカムバックしていただきたいところですが、今は株価が投機色を強めていますから、配当狙いの場合は反落場面の到来を待ってからでも遅くないと冷静に見つめる投資家が少なくないようです。

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