【話題株】マイナス金利など受け「金庫株」の動意が活発、日本ISKは2月の終値から4割高

話題株

 このところ「金庫」を手がける銘柄が活況高となり、製造販売の大手、日本アイ・エス・ケイ(日本ISK)<7986>(JQS・売買単位100株)は2月の終値から3月7日までで44%高となり、製造はしていないがくろがね工作所<7997>(東2)は同じく30%高となった。

 日銀の「マイナス金利」施行以後、「金」の購入や「タンス預金」が増えるといった見方があり、思惑買いにつながっている。投機的な材料株ではあるが、日銀の次の金融政策決定会合は3月14~15日の予定。これに向けて再び投機色が強まると期待する向きもある。

 日本ISKは耐火金庫の最大手で、昨年後半はマイナンバー制度にともない、企業向けの使用履歴付き大型金庫が話題になった。2月19日に発表した2015年12月期の連結決算は、金庫そのものは特段大きく寄与しなかったようだが、不動産賃貸物件の増加などにより予想を大きく上ぶれる着地となり、営業・純利益は前期比2倍になった。今期はこの反動減などから営業利益を0.7%減とするが、時価水準でのPERはまだ20倍前後。「マイナス金利」は追い風になる。

 この点、くろがね工作所については、金庫はよほどの特需がない限り連結業績への寄与は期待薄との見方が聞かれる。ただ、今11月期にかけての業績は拡大基調の見込みで、PERはやはり20倍前後。それほど割高感はないといえる。2015年3月末から4月末にかけて3倍高の急騰を演じたことがあり、値幅狙いの資金が注目しやすいとの見方はある。

 両銘柄とも値動きが短期急騰型の印象があるため、上値メドなどは「相場は相場に聞け」のタイプになりそうだが、日銀の黒田総裁発言にはマイナス金利の幅拡大を辞さないニュアンスが込めた部分があったようだ。この意味で、急伸の谷間を仕込んでおきたいと注目する様子はある。

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