エスプールは日柄調整完了感、17年11月期2桁営業増益予想で18年11月期も収益拡大期待

日インタビュ新聞ロゴ

 エスプール<2471>(JQ)は、ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。17年11月期2桁営業増益予想で、18年11月期も収益拡大が期待される。株価は日柄調整完了感を強めている。7月高値を試す展開が期待される。なお1月11日に17年11月期決算発表を予定している。

■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業

 ビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、フィールドマーケティングサービス、マーチャンダイジングサービス、販売促進支援業務、顧問派遣サービス)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、携帯電話販売員派遣、ストアスタッフ派遣)を展開している。

 ロジスティクスアウトソーシングの低採算案件縮小、障がい者雇用支援サービスの拡大、人材ソリューション事業におけるコールセンター業務の好調などで採算上昇基調である。

 17年10月にはアルバイト・パート採用代行業務でツナグ・ソリューションズと業務提携した。また17年11月にはアルバイト応募受付代行サービス「Omusubi」の業務拡大に向けて宮崎県西都市と企業立地協定を締結した。新規拠点として西都センターを設立し、18年1月から運営開始する。

 12月4日には、中国国内のECプロモーションや越境ECコンサルティングを行う上海潤世企業営銷管理との業務提携を発表した。中国市場の特性に合わせた越境EC支援サービスを開始する。12月15日には越境ECサービスの拡大を目指して、品川に最新鋭の物流センターを新設すると発表した。

 中期経営計画の目標値は、営業利益率5%の早期達成と20年度までに業界最高水準10%の達成、安定的かつ継続的な配当の実施、ROE最低5%堅持としている。配当の基本方針は連結ベースでの株主資本配当率(DOE)5%を目安としている。アウトソーシング需要は高水準であり、高付加価値サービスが牽引して中期的にも収益拡大基調が期待される。

■17年11月期2桁営業増益予想、18年11月期も収益拡大期待

 前期(17年11月期)連結業績予想(1月13日公表)は売上高が前々期(16年11月期)比17.2%増の108億24百万円、営業利益が14.8%増の5億83百万円、経常利益が15.0%増の5億71百万円、純利益が18.0%減の3億34百万円としている。配当予想は8円増配の年間18円(期末一括)で予想配当性向は16.2%となる。

 ビジネスソリューション事業、人材ソリューション事業とも2桁成長を持続して2桁増収・営業増益予想である。売上総利益率は0.4ポイント低下の28.7%、販管費比率は0.3ポイント低下の23.3%の計画である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.5%増収、営業利益が11.6%増益、経常利益が15.2%増益、純利益が13.7%減益だった。計画を上回る2桁増収・営業増益だった。売上総利益率は27.3%で1.6ポイント低下、販管費比率は22.6%で1.0ポイント低下した。人材ソリューション事業における社会保険対象者の適用拡大に伴う社会保険料増加で売上総利益率が低下したが、増収効果で販管費比率は低下した。純利益は法人税等の増加で減益だった。

 ビジネスソリューション事業は売上高が11.0%増の27億28百万円、営業利益が9.0%増の4億13百万円だった。スマートメーター設置業務が契約更新で計画工事数が縮小して減収となり、事業構造転換を進めているロジスティクスアウトソーシングも減益だったが、障がい者雇用支援サービスが農園稼働数倍増などで好調に推移し、求人応募受付代行サービスも寄与した。

 人材ソリューション事業は売上高が33.5%増の55億96百万円、営業利益が27.8%増の5億11百万円だった。主力のコールセンター業務において、定着率向上を支援するグループ型派遣の需要が好調に推移した。新規登録者の確保も順調だった。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が76.8%、営業利益が67.1%、経常利益が68.8%、純利益が71.6%である。やや低水準の形だが、第3四半期累計が計画超だったことを考慮すれば、通期ベースでも好業績が期待される。需要が高水準であり、今期(18年11月期)も収益拡大が期待される。

■株価は日柄調整完了感

 株価は3000円近辺でモミ合う形だが、7月高値後の日柄調整完了感を強めている。

 12月19日の終値3085円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS111円35銭で算出)は27~28倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は0.6%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS344円52銭で算出)は9.0倍近辺である。時価総額は約97億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインだ。日柄調整完了して7月高値3450円を目指す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■2025年のパン屋倒産が急減、SNS発信とインバウンドが追い風  帝国データバンクは11月29日…
  2. ■「働いて働いて──」が年間大賞!多様な社会現象を映すトップテン発表  自由国民社は12月1日、年…
  3. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る