食料品の消費税率引き下げが外食産業に及ぼす影響、自炊が割安に、外食は割高に

■食料品の消費税率0%で外食産業に与える影響

 帝国データバンク(TDB)は2月10日、食料品の消費税率が現在の8%から0%に引き下げられた場合、外食産業にどのような影響が出るかを分析したレポートを発表した。スーパーで買う食材が安くなる一方、レストランでの外食は従来通り10%の税率が適用されるため、両者の価格差が広がり、外食離れが進む可能性があるという。

■自炊シフトと購買力増、2つの力が作用

 同レポートによると、外食への影響は2つの力の綱引きで決まる。1つ目は「代替効果」で、スーパーの食材が相対的に安くなることで、外食をやめて自炊や中食に切り替える動きが強まる。特にランチなど日常的な外食ほど家での食事に置き換えられやすい。2つ目は「所得効果」で、食費全体が安くなって家計に余裕が生まれれば、外食を楽しむ余力も増える。どちらの力が勝つかは、減税分が実際の店頭価格にどれだけ反映されるかや、賃金などの所得環境によって変わる。

■日常使いの店ほど打撃、高級店は限定的

 業態別に見ると、ファストフードやファミリーレストランなど普段使いの店は、スーパーの惣菜などに客を奪われやすく、来店客数が減る懸念がある。一方、居酒屋は「人と会って話す場」としての価値があるため、比較的影響は小さいとみられる。高級レストランも記念日や接待などで使われるため、価格より体験が重視され、影響は限定的だという。また、店内での飲食は10%のまま、持ち帰りは軽減税率の対象となるため、テイクアウトへの流れが一層強まる可能性も指摘している。

■メニュー・販促・価格設計の組み合わせが重要に

 同レポートは、外食企業にとってメニュー構成の見直しや販促キャンペーン、店内と持ち帰りのバランス調整など、総合的な対策が必要になると提言している。店内飲食と持ち帰りの境界を通じた需要の付け替えが起こり得る中で、企業側は業態別の代替可能性を踏まえた需要防衛策が重要になるという。

 総じて、食料品の消費税率引き下げは家計の実質購買力を高め、特に低・中所得層の食費負担を軽減する効果がある。一方で外食需要は抑制される可能性があるが、持ち帰りや中食の拡大により関連産業での需要創出余地は残る。同レポートでは今後、家計調査等を用いた影響の定量化や、実際の売上データに基づく検証を進める予定としている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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