ハーツユナイテッドグループは16年高値が視野、事業ドメイン拡大の成長戦略を加速

日インタビュ新聞ロゴ

 ハーツユナイテッドグループ<3676>(東1)は、ソフトウェアをテストして不具合を検出するデバッグ事業を主力に、事業ドメイン拡大の成長戦略を加速している。18年3月期は第2創業期と位置付けて2桁増収増益予想である。株価は昨年来高値圏で堅調だ。そして16年9月の上場来高値が視野に入ってきた。なお2月9日に第3四半期決算発表を予定している。

■デバッグ事業が主力、ゲームデバッグの国内シェア1位

 ソフトウェアをテストして不具合を検出するデバッグ事業(コンシューマゲームリレーション、デジタルソリューションリレーション、およびアミューズメントリレーション)を主力(17年3月期売上構成比79%)として、総合ゲーム情報サイト運営等のメディア事業、ゲーム開発・CG映像制作等のクリエイティブ事業、システム開発等のその他事業も展開している。

 エンタテインメント分野のゲームデバッグで国内シェア1位である。8000名を超える登録テスター、全国15拠点のネットワークを強みとして、100万件を超えるデバッグ検出実績を誇っている。

■事業ドメイン拡大の成長戦略を加速

 17年6月に玉塚元一代表取締役CEOが就任し、新経営体制下で「第2創業期」と位置付けて経営改革を実施し、既存事業への成長投資や新規分野へのチャレンジなど新たな取り組みを開始している。

 事業戦略としては、アウトソースニーズの拡大という環境変化に対応し、事業ドメインを拡大して成長を加速させる方針だ。エンタテインメント分野では、ゲームを中心にデバッグサービスの収益機会を拡大するとともに、クリエイティブメディアやカスタマーサポートの分野にも事業を拡大する。またゲームデバッグでのIT技術、豊富な人材、ノウハウを活用して、システムテスト、ITサポート、セキュリティといったエンタープライズ分野の新市場開拓も加速している。

 目標数値としては、3年を目標に遅くとも5年以内に、売上高500億円(エンタテインメント向け事業250億円、システムテスト事業100億円、ITサポート・セキュリティ事業100億円、海外事業50億円)と、EBITDA100億円の達成を目指す。M&Aやアライアンスも積極活用し、人によるテストと自動化・AIによる効率的なテストを組み合わせた総合的なソリューションを実現する方針だ。

 17年9月にはテクニカルサポート分野においてNTTマーケティングアクトと協業、17年11月にはシステムテスト分野においてマイクロフォーカスエンタープライズおよび日本ヒューレット・パカードと協業、セキュリティ分野においてエフセキュアと協業した。

■18年3月期増収増益予想

 18年3月期の連結業績予想は、売上高が17年3月期比14.1%増の176億22百万円、営業利益が15.4%増の22億円、経常利益が11.4%増の22億25百万円、純利益が73.8%増の13億82百万円としている。第2創業期として新たな成長ステージを目指し、2桁増収増益予想である。

 配当予想は年間11円50銭(第2四半期末5円50銭、期末6円)としている。16年10月1日付株式2分割を考慮して17年3月期を年間11円50銭に換算すると、前期と同額となる。予想配当性向は18.1%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比8.8%増の82億63百万円、営業利益が14.3%増の10億03百万円、経常利益が7.8%増の10億08百万円、純利益が20.9%増の6億74百万円だった。主力のデバッグ事業が15.7%増収、17.1%営業増益と好調に推移して全体を牽引した。クリエイティブ事業の収益性改善も寄与した。

 通期でも主力のデバッグ事業の2桁伸長を見込んでいる。また成長余地の大きいシステムテスト分野など事業ドメイン拡大戦略を加速し、先行投資負担を吸収する。通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高46.9%、営業利益45.6%、経常利益45.3%、純利益48.8%と概ね順調である。通期ベースでも好業績が期待される。

■株主優待制度は毎年3月末に実施

 株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上所有株主に対して実施している。1単元以上~2単元未満所有株主に対しておこめギフト券3kg分、2単元以上所有株主に対しておこめギフト券6kg分を贈呈する。

■株価は昨年来高値圏で堅調、17年9月高値が視野

 株価は1月17日に昨年来高値1889円まで上伸した。その後も高値圏で堅調に推移している。そして17年9月高値2200円が視野に入ってきた。

 1月23日の終値1826円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS63円64銭で算出)は28~29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円50銭で算出)は0.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS119円96銭で算出)は15倍近辺である。時価総額は約436億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る