キーコーヒーは戻り歩調、18年3月期大幅減益予想だが19年3月期の収益改善期待

日インタビュ新聞ロゴ

 キーコーヒー<2594>(東1)は業務用・家庭用レギュラーコーヒー大手である。パッケージカフェ「KEYS CAFE」など事業領域拡大戦略を積極推進している。18年3月期は大幅減益予想だが、19年3月期の収益改善を期待したい。株価は売り一巡して戻り歩調だ。

■コーヒー関連事業を主力として飲食関連事業も展開

 コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒー)を主力として、飲食関連事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。17年3月期セグメント別売上高構成比は、コーヒー関連事業87%、飲食関連事業8%、その他(ニック食品、honu加藤珈琲店など)6%だった。

 中期成長に向けて「ブランド強化」「収益力強化」「グループ連携強化」を3つの柱に掲げ、新商品の開発・投入、パッケージカフェ「KEYS CAFE」の多店舗展開など新たな事業領域開拓を積極推進している。

 なお銀座ルノアール<9853>の普通株式58万株を、同社代表取締役社長小宮山誠氏から取得した。間接保有(子会社の有限会社オーギュスト所有分)を含めた出資比率(議決権割合)は34.19%となった。

■18年3月期大幅減益予想、19年3月期の収益改善期待

 18年3月期の連結業績予想(1月29日に2回目の減額修正)は、売上高が17年3月期比0.5%増の633億円、営業利益が78.2%減の3億円、経常利益が67.9%減の5億円、純利益が85.0%減の1億70百万円としている。天候不順も影響して売上高が計画を下回り、利益面では物流コストの上昇も影響する。

 配当予想は据え置いて、前期と同額の年間18円(第2四半期末9円、期末9円)としている。予想配当性向は235.3%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比0.3%増の486億89百万円、営業利益が56.9%減の7億70百万円、経常利益が50.7%減の9億75百万円、純利益が57.7%減の5億24百万円だった。売上高が計画を下回り、物流コスト上昇なども影響して大幅減益だった。売上総利益率は26.4%で1.9ポイント低下、販管費比率は24.9%で0.3ポイント上昇した。

 コーヒー関連事業は、売上高が0.6%増の424億73百万円だが、営業利益が48.1%減の11億07百万円だった。売上面では業務用市場が前年並みにとどまり、原料用市場が減収だが、家庭用市場が増収で、全体として微増収だった。利益面では、販売利益の減少や物流コストの上昇などで大幅減益だった。パッケージカフェ「KEYS CAFE」は10店舗出店し、期末導入店舗数は53店舗となった。

 飲食関連事業は売上高が3.9%減の34億42百万円で、営業利益が40百万円の赤字(前年同期は88百万円の赤字)だった。イタリアントマトの不採算店閉鎖で減収だが、販管費の効率的運用で赤字が縮小した。その他事業は売上高が2.1%増の27億74百万円で営業利益が68.9%減の86百万円だった。

 18年3月期は大幅減益予想だが、19年3月期の収益改善を期待したい。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施

 株主優待制度は毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上~300株未満所有株主に対して1000円相当、300株以上~1000株未満所有株主に対して3000円相当、1000株以上所有株主に対して5000円相当を贈呈する。

■株価は戻り歩調

 なお2月1日発表した自己株式取得および自己株式公開買い付け(取得株式総数の上限85万株、買い付け価格1953円、買い付け期間18年2月2日~18年3月2日)について、自己株式公開買い付けは3月2日に終了し、82万6000株を取得した。自己株式取得も終了した。

 株価は地合い悪化も影響した2月9日の直近安値2084円から切り返しの動きを強めている。18年3月期減益予想を織り込み、売り一巡して戻り歩調だ。

 3月7日の終値2150円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS7円65銭で算出)は約281倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円39銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約488億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る