ソフトクリエイトホールディングスは高値圏、19年3月期は1Qが大幅増益で通期予想に上振れ余地

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 ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)は、ECサイト構築ソフトや不正接続防止製品を主力としてソリューション事業を展開している。19年3月期第1四半期は大幅増益だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は年初来高値圏で堅調だ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■ECサイト構築ソフトと不正接続防止製品で首位

 ECソリューション事業(ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・保守から、ECサイト構築・運用支援、データセンターでのホスティングサービス提供、ECプロモーション提供までの総合サービス)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフトの販売、基幹系システムの受託開発)および物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。

 連結子会社はソフトクリエイト、ecbeing、エイトレッド<3969>である。17年11月にはソフトクリエイトが、監視システム開発やシステムコンサルティングなどを展開するY2Sを持分法適用関連会社とした。18年4月には、オウンドメディア支援事業やコンテンツマーケティング支援事業を展開するエートゥジェイを子会社化した。

 ecbeingの国内ECサイト構築実績は1100サイトを突破し、富士キメラ総研社「富士マーケティング・レポート」ECサイト構築ソリューション市場占有率において10年連続シェア1位(45.2%)を獲得している。なおecbeingは18年6月、クラウド型ECプラットフォーム「mercart」の提供開始を発表した。SI事業ではセキュリティ製品「L2Blocker」が、不正接続防止ツール市場における累計導入社数で第1位を獲得している。

 18年3月期のセグメント別売上構成比はECソリューション事業46%、システムインテグレーション事業26%、物品販売事業28%だった。ECサイト構築実績の積み上げに伴う運用支援・保守などストック型収益が拡大基調である。

■19年3月期1Q大幅増益で通期予想に上振れ余地

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月比16.7%増の182億03百万円、営業利益が2.2%増の17億44百万円、経常利益が0.6%増の18億04百万円、純利益が1.0%増の11億57百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は23.2%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比16.8%増の40億22百万円、営業利益が60.5%増の4億59百万円、経常利益が61.0%増の5億32百万円、純利益が76.0%増の3億81百万円だった。ECソリューション事業やセキュリティビジネスの拡大、M&A効果などで大幅増収増益だった。

 通期ベースでは、積極的な人材採用に伴う人件費の増加、製品機能充実のための費用の増加、エートゥジェイを子会社化したことに伴うのれん償却(1億40百万円を想定)などで増益率が鈍化するが、2桁増収に伴う売上総利益の増加で吸収する見込みだ。のれん償却除くベースでは営業利益が18.4%増益、経常利益が8.4%増益、純利益が12.1%増益の見込みとしている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高22.1%、営業利益26.3%と順調である。システム関連で第4四半期の構成比が高い特性を考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回

 株主優待制度は毎年3月31日および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は保有株数および保有期間に応じてオリジナルQUOカードを贈呈する。

■株価は高値圏

 5月31日発表の自己株式取得(上限10万株・1億73百万円、取得期間18年6月1日~18年7月31日)は、7月31日時点の累計取得株式総数4万500株となって終了した。

 株価は6月19日に年初来高値となる1930円まで急伸する場面があった。その後一旦反落したが、概ね高値圏1700円~1800円近辺で推移している。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

 8月16日の終値は1711円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS86円35銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS637円52銭で算出)は約2.7倍、時価総額は約236億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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