日経平均は地方選挙終わるまで大きく動き難い、NYダウも模様ながめか

株式市場

チャート6 イエレンFRB議長が週末の講演で、雇用状態の良好が続き、物価上昇のメド(2%)が立てば年内の利上げについての検討を6月以降から始めると表明した。これで、6月の利上げはなくなったとみられ、早くて、量的緩和を終了した昨年10月から1年目の今年10月以降とみていいだろう。このことは、当面の相場にはプラスに働くものとみられる。

 足元では雇用保険の申請件数が減少するなど雇用状態は良好だが、一方で鉱工業生産が2月はマイナス1.4%となったこと、10~12月のGDPが速報値の2.6%が確報値では2.2%に下方修正されるなど、一部の景気指標にやや陰りがみられ、NYダウが下げる一因となっている。今週はイエレン議長の発言と足元の景気をめぐって、やや強弱が対立しそうだ。

 しかし、NYダウベースの1株利益は高水準で推移、企業々績は引き続き心配ない状況だ。このため、前回、紹介の通り、NYダウは下げたとしても下値は1万7500ドル前後とみていいいだろう。

 日本のマーケットは地方選挙が始まった。アベノミクスの効果は地方には行き届いていないとの見方が強いためアベノミクスに対する成果を問う選挙ともいえる。また、地方には原子力発電所が数多くあり、原発再稼動に対し以前より賛成、反対の対立が鮮明となっているので、安倍政権に対し原発問題とエネルギー問題が問われることにもなる。

 現在、アベノミクス第3弾の総仕上げの局面を迎え、第3弾の軸である、「地方創生」に対し今回の選挙は大きい影響を与えるものとみられる。仮に、地方選で苦戦ということになれば、野党は中央と地方の格差拡大問題を掲げ突き上げが厳しくなることが予想され、その結果、安倍政権は3回目の量的金融緩和策を早める可能性があるだろう。また、自然エネルギー強化、とくに水素エネルギー等に対する拡大策、カジノも進展することと予想される。

 地方選挙の前半戦が終わる4月12日まではマーケットは大きくは動けないものとみられる。3月期決算の発表は5月だから、それまでは業績が前面に出た相場よりはテーマ性のある材料株が物色の中心になりである。

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