うかいは売り一巡して出直り期待、19年3月期営業・経常増益予想

日インタビュ新聞ロゴ

 うかい<7621>(JQ)は高級和食・洋食料理店を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。19年3月期第2四半期累計は人件費増加などで減益だったが、通期は18年3月期の新規出店が通期寄与して営業・経常増益予想である。株価は売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■高級和食・洋食料理店が主力

 高級和食・洋食料理店の事業本部(和食事業、洋食事業、物販事業)を主力に、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。18年3月期売上高構成比は事業本部91%(和食43%、洋食43%、物販5%)、文化事業9%だった。収益面では第3四半期の構成比が高い特性がある。

 成長戦略では「更なるブランドの構築」をテーマとして、人材の確保・育成、ブランドの研鑽、物販事業の成長促進、国際的なブランド発信に取り組んでいる。数値目標には、21年3月期の売上高145億16百万円、営業利益5億50百万円を掲げている。

 18年3月には、東京・六本木ヒルズに鉄板料理「六本木うかい亭」と割烹料理「六本木 kappou ukai」の2店舗を同時オープンした。

 海外については17年11月、第1号店の「うかい亭 高雄」を台湾・高雄市のホテル「シルクスクラブ」内にグランドオープンした。18年4月には台湾の御盟建設と台湾台北市の商業施設「微風南山」内に同社が運営するレストランについて業務提携し、海外2号店となる「ザ・ウカイ・タイペイ」出店準備を進めている。

■19年3月期増収・営業増益・経常増益予想

 19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比6.6%増の141億15百万円、営業利益が6.1%増の3億76百万円、経常利益が3.0%増の3億54百万円、純利益が9.0%減の1億99百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間18円(期末一括)で予想配当性向は47.3%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比3.4%増の67億64百万円、営業利益が97.9%減の4百万円、経常利益が17百万円の赤字、純利益が26百万円の赤字だった。人件費の増加、店舗数増加に伴う経費の増加などで減益だった。なお事業本部は既存店が客数減少で苦戦したが新店の寄与で4.1%増収、文化事業は猛暑・台風・豪雨が影響して3.6%減収だった。

 通期ベースでは、18年3月期に新規出店した六本木うかい亭、六本木 kappou ukai、物販のアトリエうかいエキュート品川、アトリエうかいトリエ京王調布が通期寄与して増収・営業増益・経常増益予想である。売上高の計画は事業本部が7.4%増の129億09百万円、文化事業が1.0%減の12億06百万円としている。通期ベースで好業績を期待したい。

 なお事業本部の18年10月売上は全店が105.3%、既存店が99.6%だった。既存店は客数が減少したが、客単価は15年5月から41ヶ月連続の前年比プラスである。

■株主優待制度は毎年9月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて優待券などを贈呈している。

■株価は売り一巡して出直り期待

 株価は9月末の株主優待制度権利落ちのタイミングで急落し、直近安値圏3800円~4000円近辺でモミ合う形だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。11月27日の終値は3995円、今期予想PER(会社予想EPS38円02銭で算出)は約105倍、今期予想配当利回り(会社予想の18円で算出)は約0.5%、前期実績PBR(前期実績BPS973円39銭で算出)は約4.1倍、時価総額は約209億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る