パシフィックネットは戻り歩調、19年5月期大幅増益予想

株式市場 銘柄

 パシフィックネット<3021>(東2)は、法人向けIT機器LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを強化し、フロー型からストック型への収益構造転換を推進している。19年5月期第2四半期累計は大幅増益だった。そして通期も大幅増益予想である。株価は地合い悪も影響した12月安値から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■IT機器LCMサービスを強化

 法人向けにPC・タブレット・モバイル等のIT機器の調達・導入、キッティング(事前設定)、ネットワーク構築、運用・保守、使用済みIT機器の引取・回収、データ消去・消去証明書発行、リユース・リサイクルを行うLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを強化している。

 店舗部門を縮小し、法人向けLCMサービスの強化によって、使用済みIT機器の引取・回収、データ消去、再生、リユース販売中心の「フロー型」から、新品IT機器の長期レンタル型の調達・導入、キッティング、運用・保守を中心とした「ストック型」への収益構造転換を推進している。

 15年10月BtoB専門総合通信サービス事業の子会社2Bを設立、17年6月M&Aアドバイザリ・仲介サービス事業の子会社エムエーピーを設立、17年12月音声ガイド用無線レシーバー「イヤホンガイド」のケンネットを子会社化、18年7月子会社エムエーピーが有料職業紹介事業(人材紹介事業)を開始、18年9月子会社2Bを吸収合併、18年12月クラウド統合ソリューションのテクノアライアンスを子会社化した。

 セグメント区分は、LCM事業(IT機器のLCMサービス提供)、リマーケティング事業(LCMサービスで回収した使用済み機器をテクニカルセンターで製品化してリユース品として販売)、コミュニケーション・デバイス事業(子会社ケンネットの無線レシーバー製造販売・保守サービス)、その他事業(子会社エムエーピーのM&A仲介・アドバイザリ事業)としている。

■19年5月期増収・大幅増益予想

 19年5月期連結業績予想(18年12月26日に売上高を4億円下方修正だが、各利益を据え置き)は、売上高が18年5月期比7.5%減の41億円、営業利益が30.3%増の3億10百万円、経常利益が26.0%増の3億円、そして純利益が26.5%増の2億円としている。配当予想は1円増配の年間21円(期末一括)で、予想配当性向は54.3%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比10.7%減の19億53百万円、営業利益が82.4%増の1億17百万円、経常利益が83.7%増の1億16百万円、純利益が66.3%増の63百万円だった。前下期に実施した全店舗廃止、使用済みパソコン排出市場の回復遅延に伴う仕入減少で減収だが、ストック売上の拡大、案件選別による収益管理の強化、新・東京テクニカルセンターによる付加価値・生産性の向上、一部支店・全店舗廃止による効率化効果などで大幅増益だった。

 LCM事業は売上高が8.7%増の11億50百万円で営業利益が64.8%増の1億54百万円、リマーケティング事業は売上高が32.8%減の8億84百万円で営業利益が4.1%減の1億34百万円だった。コミュニケーション・デバイス事業は売上高が1億62百万円で営業利益が20百万円だった。観光需要の季節変動影響を受けるため、第2四半期と第4四半期の構成比が高い特性がある。その他事業は売上高が2百万円で営業利益が17百万円の赤字だった。

 通期予想については、世界的なCPU不足によって企業の新品パソコン導入遅延が拡大している影響で、使用済みパソコンの回収台数が計画を下回るため売上高を下方修正したが、各利益を据え置いた。ストック収益のLCM事業が順調に拡大し、収益管理の強化、構造改革による販管費の抑制、戦略的投資の効果などで大幅増益予想としている。好業績を期待したい。

■中期経営計画で21年5月期経常利益5億円目標

 中期経営計画「SHIFT2021」では、基本方針をストック中心へのさらなる収益構造改革、LCMサービス事業の飛躍的拡大、M&Aによる成長のスピードアップ、東証1部へのステップアップとして、目標値に21年5月期売上高55億円、経常利益5億円、純利益3億30百万円、ROE12%以上を掲げている。

■株価は戻り歩調

 株価は地合い悪も影響した12月25日安値530円から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。1月28日の終値は737円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円65銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS364円94銭で算出)は約2.0倍、時価総額は約38億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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