【編集長の視点】クレスコは連続最高業績と働き方改革法施行を手掛かりに売られ過ぎ訂正買いが再燃し反発

クレスコ<4674>(東1)は、前日11日に前場の安値3080円から切り返し35円高の3145円と反発して引けた。今2019年3月期業績が、連続して過去最高を更新すると予想されていることを見直し売られ過ぎ訂正買いが再燃した。同時に今年4月1日から働き方改革法が施行されることから業務自動化のためにRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の投資需要が拡大、同社業績を押し上げるとして期待材料視されている。

■働き方改革関連のRPA導入を支援する有料・無料セミナーを積極開催

 同社の今2019年3月期通期業績は、売り上げ355億円(前期比6.5%増)、営業利益32億8000万円(同6.1%増)、経常利益35億8000万円(同2.5%増)、純利益24億1600万円(同9.7%増)と予想され、過去最高業績を連続更新する。組込型ソフトウェア開発事業では、カーエレクトロニクス、情報家電向けなどが順調に推移し、ソフトウェア開発事業では、金融業向けが底打ちし昨年10月に連結子会社化したアルス(東京都目黒区)が上乗せとなることなどが要因となる。

 一方、働き方改革法施行に関しては、RPAを導入する企業を支援する有料・無料のセミナーを積極的に開催するとともに、人事・給与・ワークフロー関連のパッケージソフトウェア開発で日本アイ・ビー・エムの認定コアパートナーとなっているアルス(東京都目黒区)を子会社化して連携を強めており、早期戦力化から業績上ぶれも期待されている。なお、今年2月5日に開示した今期第3四半期(2018年4月~12月期、3Q)決算では、受注高は、前年同期より8.6%増、受注残高は同14.4%増と伸び、選別受注や受注単価の見直しなども進んだ。

■好調な3Q受注動向を評価して500円高し往って来いから再び4000円台を目指す

 株価は、昨年12月に日経平均株価が一時、1万9000円台を割る急落相場に巻き込まれて2770円安値へ下落し、売られ過ぎとして3175円までリバウンドして3000円台固めを続け、今期3Q決算の好調な受注動向を手掛かりに3780円まで約500円高し、25日移動平均線が下から75日移動平均線を上に抜くゴールデン・クロス(GC)を示現した。前週末8日は再び日経平均株価が、4日続落して心理フシ目の2万1500円を1週間ぶりに下回ったことで利益確定売りが出てほぼ往って来いとなり、5日移動平均線が上から25日線を下に割るミニ・デッド・クロス(DC)を示現した。このミニDCは最高業績や業績環境からみてダマシとなるとの観測も強く、売られ過ぎ訂正で今年2月1日高値3780円奪回から昨年11月8日高値4045円台を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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