【編集長の視点】はてなは反落も連続最高業績の再評価にソニー関連人気も加わって突っ込み買い妙味

 はてな<3930>(東マ)は、30円安の1800円と反落して始まっている。きょう20日から開催される日銀の金融政策決定会合を前に全般相場が様子見ムードでスタートしていることが響き、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ今年8月15日につけた上場来安値1792円に接近した下値には、今年9月13日に発表した今7月期業績が、連続して過去最高を更新すると予想されていることを評価して下げ過ぎ訂正買いが入っている。9月8日からソニー<6758>(東1)と共同事業を開始したことも、業容の厚み、業績上ぶれにつながるとともに、このところ年初来高値追いとなっているソニーの株価人気が波及するとの期待を強めて買い手掛かりとなりそうだ。

■「はてなブックマーク」の利用者が拡大しネイティブ広告が続伸

 同社の今7月期業績は、前期業績が、今年8月10日の上方修正通りに大幅続伸して着地したあとを受け、売り上げ18億6600万円(前期比19.7%増)、営業利益2億5300万円(同0.1%増)、経常利益2億5200万円(同7.4%増)、純利益1億500万円(同4.4%増)と予想され、前期の過去最高を連続更新する。同社の展開している会員同士が情報を共有するUGCサービスのサイト「はてなブックマーク」の利用者が、スマートフォンの普及とともにますます拡大しており、つれてコンテンツマーケティングサービスでは、ネイティブ広告の売り上げが続伸し、コンテンツプラットフォームサービスではアフィリエイト広告の売り上げや課金売り上げが堅調に推移し、テクノロジーソリューションサービスでも、受託サービスの取引先が着実に拡大し、クラウド支援サービス「Mackerel(マカレル)」の新規導入先を開拓することなどが要因となる。

 一方、ソニーとの共同事業は、はてなの「はてなブックマーク」とソニーのニュースアプリ「ニューススイート」とを基盤として新しいオンラインコミュニティーサービスを開発、Webサイトやアプリなどの媒体で記事・コンテンツと一体感のあるデザイン、フォーマットで誘導枠を持つインフィード型ネイティブ広告として発売し、広告主の広告効果最大化に貢献して事業の拡大を目指す。

■ソニーとの共同事業でストップ高した急騰再現期待を強め底上げに再発進

 株価は、今年2月24日に800円を公開価格に新規株式公開(IPO)され、3025円で初値をつけ、上場来高値3355円まで買い進まれる高人気となった。その後のセカンダリーでは、全般波乱相場にツレ安し1801円安値へ調整したが、ソニーとの共同事業発表でストップ高して2776円の戻り高値をつけ、前期第3四半期の好決算も加わって2000円台固めを続けたが、前期業績の上方修正では材料出尽くし感を強めて上場来安値1792円へ突っ込んだ。同安値からソニーとの共同事業開始で2197円までリバウンドしほぼ往って来いと調整し下値を再確認している。値動きは荒いものの、連続最高業績評価と急騰特性再現期待で底上げに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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