【編集長の視点】東京応化は3連騰、好業績に連続増配と自己株式取得・消却が加わり株高材料が満載

編集長の視点

東京応化工業<4186>(東1)は、130円高の3845円と3営業日続伸して始まっている。前週末8日大引け後に3月期決算を発表、前2015年3月期業績が、昨年10月の上方修正通りに連続過去最高で着地し、今2016年3月期純利益も最高更新を予想したものの、市場コンセンサスを下回ったが、配当を連続増配し、自己株式取得・消却の積極的な株主配分策を表明したことから、株高材料満載として買い増勢となっている。

■今期純利益は連続して過去最高を更新し配当も64円に連続増配

前2015年3月期業績は、前々期比17.0%増収、32.2%営業増益、17.7%経常増益、16.8%純益増益と続伸した。半導体用フォトレジストの売り上げが、スマートフォンやタブレット端末の需要拡大や車載向け、産業用電子機器向けの半導体搭載製品の市場拡大などで好調に推移し、同付属薬品も高品質製品の売り上げが大きく増加、期中の平均為替レートが、1ドル=109.3円(前々期実績99.3円)と円安となったことなども要因となった。

 今2016年3月期業績は、為替レートを1ドル=115円と想定し、減価償却費が前々期以来の積極的な設備投資で前期比38%増と負担増となるが、半導体フォトレジストが引き続きシェアを拡大することなどから、売り上げ976億円(前期比9.8%増)、営業利益138億円(同0.4%増)、経常利益138億円(同4.5%減)、純利益90億円(同2.1%増)と見込んでいる。純利益は、市場コンセンサスを約24億円下回るが、年間配当は、前期を昨年11月の配当修正通りに60円(前々期実績52円)に増配し、今期はさらに64円と連続増配を予定している。

なお自己株式取得は、上限を175万株(発行済み株式総数の3.89%)、取得総額を70億円、取得期間を今年5月11日から9月10日までとして実施する。また自己株式消却は、150万株(発行済み株式総数の3.22%)を9月16日を予定日に実施する。

■25日線水準から積極的は利益還元政策を評価し高値キャッチアップ

株価は、前期第3四半期の2ケタ増益・高利益進捗率業績をテコに年初来高値4360円まで買い進まれ、期末の配当権利落ちとともに3805円まで下ぶれ、4000円台固めから全般相場の波乱展開とともに再度、3645円安値まで突っ込み、25日移動平均線にチャレンジしつつ下値を固めてきた。PERは19倍台と市場平均をやや上回るが、株主への利益還元に積極的は企業との評価とともに25日線をクリアして一段の戻りを試し、高値キャッチアップも想定範囲内となる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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