サンコーテクノは戻り試す、19年3月期増収増益予想で20年3月期も収益拡大期待

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 サンコーテクノ<3435>(東2)は建設用あと施工アンカーの最大手で、センサー関連商材の測定器も展開している。民間・公共設備投資が堅調に推移して19年3月期増収増益・連続増配予想である。20年3月期も収益拡大を期待したい。株価は急伸した3月の戻り高値から反落したが下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。なお5月14日に19年3月期決算発表を予定している。

■ファスニング事業と機能材事業を展開

 ファスニング事業(あと施工アンカーやドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理など)と、機能材事業(電動油圧工具関連、FRPシート関連、車両の表示板などの電子プリント基板関連、各種測定器関連の製造・販売など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比はファスニング事業が79%、機能材事業が21%だった。収益面では建設関連のため期後半の構成比が高い特性がある。

 ファスニング事業では、あと施工アンカー(コンクリート用特殊ネジ・釘類)やドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理などを展開している。あと施工アンカーの最大手である。

 新中期経営ビジョンでは、経営目標数値に売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上を掲げている。建設現場では現場作業の省力化・機械化ニーズの高まりや非熟練作業者の増加が予想され、現場での使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込機、紫外線硬化FRPシートといった製品の需要増が期待される。20年東京五輪、都市再開発、国土強靭化政策などで中期的に事業環境は良好である。

■19年3月期増収増益・連続増配予想

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比2.9%増の168億円、営業利益が3.5%増の12億円、経常利益が4.1%増の12億10百万円、純利益が4.8%増の8億35百万円としている。配当予想は2円増配の年間24円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は23.4%となる。

 セグメント別売上高の計画は、ファスニング事業が6.4%増の136億93百万円、機能材事業が10.2%減の31億06百万円としている。なお機能材事業の減収は、外壁補修商材アンカーピン等のファスニング事業への移管と、二重床関連およびハウスメーカー関連の販売終了が主因で、この影響を除くと6.0%増となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.1%増の121億54百万円、営業利益が21.4%増の9億07百万円、経常利益が21.0%増の9億15百万円、純利益が26.0%増の6億31百万円だった。ファスニング事業が牽引して大幅増益だった。

 ファスニング事業は8.3%増収で13.8%増益だった。金属系あと施工アンカーは微増にとどまったが、低迷していた接着系あと施工アンカーが底打ちし、土木関連中心に完成工事高が増加した。機能材事業は11.0%減収で33.1%減益だった。電動油圧工具関連は好調だったが、アルコール検知器が減少し、FRPシート関連における二重床や防水樹脂の材料販売終了も影響した。

 通期ベースでは民間・公共設備投資が堅調に推移し、インフラ補修・保全や20年東京オリンピック・パラリンピック関連の需要増加などでファスニング事業が牽引する。小幅ながら増収増益予想である。第3四半期累計の進捗率は売上高72.3%、営業利益75.6%と順調である。通期ベースでも好業績を期待したい。そして20年3月期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、QUOカード500円分を贈呈している。

■株価は戻り試す

 株価は急伸した3月の戻り高値1340円から反落したが下値を順調に切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。4月3日の終値は1085円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS102円43銭で算出)は約11倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は約2.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1393円19銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約95億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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