【アナリスト水田雅展の銘柄分析】プラマテルズは高値圏で堅調、16年3月期の増収増益期待でモミ合い上放れ

銘柄分析

 合成樹脂専門商社のプラマテルズ<2714>(JQS)の株価は、高値圏450円~470円近辺で堅調に推移してモミ合い煮詰まり感も強めている。16年3月期も増収増益が期待され指標面の割安感は強い。モミ合い上放れのタイミングだろう。1月高値476円を突破すれば上げ足を速めそうだ。

 双日<2768>グループの合成樹脂専門商社である。製品はエンジニアリング系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニール系材料などを扱い、需要先はOA・事務機器、光学機器を中心として、家電・電子、医療機器、建材、自動車、容器・化粧品、玩具・その他と幅広い。

 高付加価値商材の拡販、良質な商権を持つ優良会社の営業権取得やM&Aを積極化するとともに、海外は中国、ベトナム、フィリピン、タイ、インド、台湾などアジア地域に積極展開している。中期戦略では17年3月期に向けた目標として経常利益10億円、自己資本比率30%維持、安定配当の継続を掲げている。

 前期(15年3月期)の連結業績見通し(4月25日公表)は売上高が前々期比4.9%増の625億円、営業利益が同8.0%増の9億円、経常利益が同9.5%増の8億80百万円、純利益が同71.6%増の4億80百万円としている。高付加価値商材の好調が牽引する。配当予想は前々期と同額の年間15円(第2四半期末7円、期末8円)としている。

 第3四半期累計(4月~12月)は前年同期比3.9%減収、同6.3%営業減益、同5.1%経常減益、同73.1%最終増益だった。国内消費増税の影響長期化などで減収となり、販管費の増加も影響して営業減益だった。しかし高付加価値商材の好調で売上総利益率は改善した。純利益については前期計上した厚生年金基金脱退損失が一巡した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)138億45百万円、第2四半期(7月~9月)141億23百万円、第3四半期(10月~12月)146億70百万円、営業利益は第1四半期1億86百万円、第2四半期2億02百万円、第3四半期2億16百万円と堅調に推移している。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が68.2%、営業利益が67.1%、経常利益が68.6%、純利益が74.8%とやや低水準だったが、第4四半期(1月~3月)の挽回が期待される。

 今期(16年3月期)も高付加価値商材が好調に推移し、原油価格下落メリットの本格化もプラス要因となって増収増益が期待される。中期的にもアジア地域への積極展開やグループ連携強化などの効果で収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、1月高値476円後は上げ一服の形だが、その後も高値圏450円~470円近辺で堅調に推移している。そしてモミ合い煮詰まり感も強めている。

 4月10日の終値464円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS56円15銭で算出)は8~9倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は3.2%近辺、前々期実績PBR(前々期実績連結BPS882円12銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調を確認した形だ。16年3月期も増収増益が期待され指標面の割安感は強い。モミ合い上放れのタイミングだろう。1月高値476円を突破すれば上げ足を速めそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る