【アナリスト水田雅展の銘柄診断】ティムコは水準切り上げ、収益改善基調を評価して上値試す

銘柄分析

 フィッシング用品やアウトドア用品のティムコ<7501>(JQS)は、4月10日に15年11月期第1四半期(12月~1月)業績を発表し、営業赤字幅が縮小した。株価は戻り歩調の展開で580円近辺まで水準を切り上げてきた。収益改善基調を評価して上値を試す展開だろう。14年1月と9月と600円、さらに13年11月の629円も視野に入る。

 フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。20年東京夏季五輪開催に向けて、登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりが追い風だろう。

 4月10日に発表した今期(15年11月期)第1四半期(12月~1月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.9%減の6億31百万円、営業利益が31百万円の赤字(前年同期は34百万円の赤字)、経常利益が30百万円の赤字(同30百万円の赤字)、純利益が24百万円の赤字(同23百万円の赤字)だった。

 消費増税前駆け込み需要の反動影響などで減収となり、輸入商品の原価上昇や在庫品の値下げ販売もマイナス要因だったが、経費削減効果などで営業赤字幅が縮小した。セグメント別売上はフィッシング事業が同12.1%減収、アウトドア事業が3.8%減収だった。

 通期の業績(非連結)見通しは前回予想(1月16日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.4%増の30億円、営業利益が同2.8倍の70百万円、経常利益が同2.0倍の73百万円、純利益が同4.9倍の40百万円、配当予想が前期と同額の年間12円(期末一括)としている。

 フィッシング事業は天候不順の影響が一巡し、アウトドア事業は消費増税前駆け込み需要の反動影響が一巡して衣料・アクセサリーが堅調に推移する。防虫機能を備えた「スコーロン」製品などの好調も期待される。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与して増収増益見通しだ。

 規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化などで、着実な収益向上に努める方針としている。ルアー関連の一部製品について3月1日出荷分から価格改定(値上げ)を実施していることも収益改善に繋がるだろう。14年11月期の営業黒字化に続いて、15年11月期も収益改善基調が期待される。

 株価の動きを見ると、14年12月の直近安値545円から反発し、やや小動きだが水準を切り上げて戻り歩調の展開だ。4月7日と13日には580円まで上伸した。収益改善基調を評価する動きだろう。

 4月13日の終値580円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS14円19銭で算出)は41倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.1%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2350円51銭で算出)は0.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなった。強基調への転換を確認した形であり、収益改善基調を評価して上値を試す展開だろう。14年1月と9月の600円、さらに13年11月の629円も視野に入る。

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