カナモトは急反発、19年10月期増益・4期連続増配予想で2Q累計順調

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 カナモト<9678>(東1)は建設機械レンタルの大手である。北海道を地盤として全国展開と業容拡大を推進し、長期ビジョンでは海外展開を成長エンジンと位置付けている。19年10月期増益・4期連続増配予想である。そして第2四半期累計は順調だった。通期も好業績を期待したい。株価は第2四半期累計業績を好感して急反発している。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。

■建設機械レンタル大手、成長エンジンとして海外展開を強化

 建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタル、福祉用具レンタルなども展開している。M&Aも積極活用し、北海道を地盤として全国展開と業容拡大を加速している。18年10月期の売上高構成比は建設関連事業89.5%、その他事業(鉄鋼関連事業、情報通信関連事業、福祉関連事業など)10.5%だった。

 18年2月には子会社ニシケンが、フジモトHDから福祉サービスのビップケアウエル安心の株式を譲り受けた。福祉用具レンタル事業で関東に進出する。18年8月には建機レンタルのサンワ機械リース(北海道釧路市)の全株式を取得(非連結子会社化)した。19年5月には佐久営業所(長野県)および成瀬ダム営業所(秋田県)を開設し、全国営業拠点数は198拠点、グループ合計505拠点となった。

 なお19年4月には豊和工業および朝日機材と共同で、作業所や工場等の作業員の作業負担軽減策として、床面の清掃作業を省力化する自律走行吸引型ロボット「AXキュイーン」を開発している。

 55期の19年を見据えたグループの目指す姿を長期ビジョン「BULL55」として示し、海外展開強化を今後の成長エンジンと位置付けている。19年3月にはマレーシアに設立した合弁会社が営業開始した。

 収益面では公共工事の影響を受けやすく、建設関連のため売上高が第4四半期(8~10月)から第1四半期(11月~1月)にかけてピークとなり、第2四半期(2~4月)および第3四半期(5~7月)は減少する季節特性がある。

■19年10月期増益・4期連続増配予想で2Q累計順調

 19年10月期連結業績予想は、売上高が18年10月期比4.5%増の1757億円、営業利益が4.5%増の184億円、経常利益が4.3%増の187億円、純利益が1.2%増の120億円としている。配当予想は5円増配の年間65円(第2四半期末25円、期末40円)としている。4期連続増配で予想配当性向は21.0%となる。

 全国的なインフラ再整備工事、主要都市での再開発工事、自然災害復旧・復興工事など、建機レンタル需要が高水準に推移して増収増益予想である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比7.6%増の918億56百万円、営業利益が2.5%増の112億66百万円、経常利益が3.2%増の115億11百万円、純利益が7.7%増の72億55百万円だった。

 建設関連事業は需要が高水準に推移して7.6%増収、1.9%増益だった。中古建機販売(17.9%増)も寄与した。その他事業も8.0%増収、13.7%増益と好調だった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高52.3%、営業利益61,2%と順調だった。通期も好業績を期待したい。

■株価は急反発

 株価は第2四半期累計業績を好感して急反発している。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。6月12日の終値は2778円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS310円30銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間65円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2707円49銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約1076億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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