ピックルスコーポレーションは18年10月高値試す、20年2月期1Q大幅増益で通期上振れの可能性

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 ピックルスコーポレーション<2925>(東1)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」ブランド力が向上し、新製品の積極投入、惣菜製品の強化、ECや外食・飲食といった新規領域への展開を推進している。20年2月期2桁増益予想である。第1四半期は大幅増益だった。通期は上振れの可能性が高いだろう。株価は急伸して年初来高値を更新する展開だ。18年10月の上場来高値を試す展開が期待される。

■漬物製品の最大手で「ご飯がススム キムチ」ブランド力向上

 漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力が大幅に向上し、キムチ製品や惣菜製品の開発強化と新製品の積極投入、西日本(近畿・中国・四国・九州)への販売エリア拡大、量販店惣菜売場・ドラッグストア・配食事業など販売先の拡大、ECや外食・飲食といった新規領域への展開を推進している。

 19年2月期の品目別売上構成比は製品60.6%(浅漬・キムチ40.4%、惣菜18.2%、ふる漬2.1%)および商品(漬物、調味料、その他)39.4%だった。販路別売上構成比は量販店・問屋等76.5%、コンビニ13.0%、外食・その他10.5%だった。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。収益面では原材料の野菜(特に胡瓜と白菜)価格の影響を受けやすい特性がある。

 関西地区の生産体制を強化するため17年12月手柄食品(兵庫県姫路市)を子会社化した。また九州地区で事業拡大するためピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場が18年4月稼働した。

■ECや外食・小売の新規領域にも展開

 新たな販売チャネルとして、ECや外食・飲食といった新規領域への展開も推進している。18年4月、ピーネ12乳酸菌活用した商品のECサイト「ピーネオンラインショップ」と、国産・化学調味料不使用にこだわった漬物のECサイト「八幡屋オンラインショップ」を開設した。19年4月にはピーネ関連製品を製造する新工場が完成した。

 19年2月にはBtoC事業強化に向けて外食・小売事業への参入を発表した。子会社OHを19年3月設立し、グループ商品を活用した外食(レストラン・カフェ)事業および小売(漬物・甘酒・調味料等の販売)事業を行う。埼玉県飯能市に施設を建設し、事業開始は20年春頃を予定している。

■20年2月期2桁増益予想、1Q大幅増益で通期上振れの可能性

 20年2月期連結業績予想は、売上高が19年2月期比4.5%増の425億13百万円で、営業利益が12.1%増の15億80百万円、経常利益が11.4%増の17億39百万円、純利益が13.0%増の10億40百万円としている。配当予想は19年2月期と同額の年間28円(期末一括)で、予想配当性向は17.2%となる。

 キムチ製品の拡販、佐賀工場・手柄食品の収益改善などで販管費増加(物流費、人件費、広告宣伝費)を吸収し、2桁増益予想である。売上高、利益とも過去最高を更新する。品目別売上高の計画は、製品が7.2%増の264億25百万円(浅漬・キムチが4.7%増の171億94百万円、惣菜が13.9%増の84億09百万円、ふる漬が3.9%減の8億21百万円)、商品が0.5%増の160億87百万円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.9%増の105億99百万円、営業利益が79.3%増の7億45百万円、経常利益が76.8%増の7億84百万円、純利益が2.3倍の5億27百万円だった。キムチ製品の販売が好調に推移し、原料野菜価格の安定や佐賀工場の利益率改善も寄与して大幅増益だった。

 第1四半期の進捗率は売上高24.9%、営業利益47.2%である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。

■中期的に収益拡大基調

 中期目標値には、22年2月期売上高465億41百万円(浅漬・キムチ187億36百万円、惣菜93億円、ふる漬8億55百万円、商品169億円、外食・小売7億50百万円)、営業利益17億77百万円、経常利益19億55百万円、純利益12億48百万円を掲げている。設備投資はピーネ工場、OH施設、中京工場増床、設備更新などで20年2月期からの3年間で合計41億75百万円を計画している。

 天候不順による野菜価格高騰が業績変動要因となるが、中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は18年10月高値試す

 株価は急伸して年初来高値を更新する展開だ18年10月の上場来高値を試す展開が期待される。6月28日の終値は2340円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS162円59銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1849円88銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約150億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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