【株式評論家の視点】昭栄薬品はオレオケミカルの専門商社、自社株買い実施に光通信が保有

株式評論家の視点

昭栄薬品<3537>(JQS)は、2016年3月16日、東京証券取引所JASDAQ市場に上場。同社及び海外子会社2社により構成され、オレオケミカルの専門商社として多種多様な化学品の中でも、資源に限りがある石油化学品とは異なり、再生産が可能で環境負荷が低いパーム及びヤシ等の天然油脂由来の油脂化学品(「オレオケミカル」)を主に取扱う化学品事業を主たる事業としている。

 主力の化学品事業では、花王を主要な仕入先として事業活動を行っており、現在は同社の国内主要代理店として、同社のオレオケミカルを界面活性剤等の化学品メーカーに、同社の界面活性剤等を洗浄剤及び香粧品メーカー等の幅広い業界に販売している。また、これを同事業の基礎として、家庭用洗剤等を取扱う日用品事業、及び地盤改良やコンクリートの補修補強材料等を取扱う土木建設資材事業を運営している。

 足元の業績は、今2020年3月期第2四半期業績実績が、売上高90億5700万円(前年同期比12.3%減)、営業利益8600万円(同42.1%減)、経常利益1億6400万円(同29.9%減)、純利益1億5500万円(同2.1%減)に着地。第2四半期期間における同社グループの事業とかかわりの深い界面活性剤業界の生産・販売活動は低調となり、主要得意先からの受注が大きく減少したほか、一部原材料価格(天然油脂相場価格)が低水準で推移し、当初計画を下振れした。

 今20年3月期業績予想は、売上高178億4100万円(前期比11.3%減)、営業利益1億2000万円(同56.2%減)、経常利益2億5600万円(同37.5%減)、純利益2億3200万円(同14.8%減)を見込む。年間配当は期末一括18円継続を予定している。

 株価は、2019年8月30日につけた昨年来の安値864円から同11月12日に昨年来の高値1213円と上昇。1100円どころを下値としたモミ合いが続いている。同社は、19年11月11日から20年3月31日まで10万株(2.79%相当)・2億円を上限に自社株買いを実施中で、19年12月31日現在45,800株・52,627,700円を取得済み。今後も自社株買いは続くと見られるほか、財務省昨年11月6日受付の変更報告書で、光通信が保有する昭栄薬品株は、196,000株(5.07%)から218,000株(6.09%)と増加したことも需給面から下支えすると予想される。PBR0.51倍と割り負けしており、外部環境が悪化し、売り込まれる場面があれば、買い好機と考える。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る