【編集長の視点】三谷商事は安値水準から急続伸、業績上方修正で連続して過去最高を更新し超割安株買いが増勢

編集長の視点

三谷商事<8066>(東2)は、75円高の2650円と急続伸して始まり、4月9日につけた年初来安値2530円に並ぶ安値水準からの底上げを鮮明化している。大型連休前の5月1日大引け後に集計中の前2015年3月期業績の上方修正を発表、期初の減益転換予想が連続増益と変わり、純利益が、連続して過去最高を更新することから超割安修正買いが増勢となっている。石油販売も扱う専門商社として、大型連休中の後半に米国市場で原油先物(WTI)価格が続伸し、前日6日には一時、1バーレル=62.58ドルと5カ月ぶりの高値をつけたこともサポート材料視されている。

■原油価格落ち着きで下方修正の売り上げも一転して上方修正

同社の前2015年3月期業績は、第3四半期(3Q)決算を発表した今年2月に原油価格が大幅に下落したとして売り上げを期初予想の4610億円から4400億円に下方修正したが、今回は、この売り上げを一転して200億円引き上げて4600億円(前々期比0.1%減)とする一方、期初予想の経常利益を35億円、純利益を18億円それぞれ上方修正し、経常利益は185億円(同11.8%増)、純利益は100億円(同14.8%増)と連続の2ケタ増益となり、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。売り上げは、原油価格が落ち着いてきたことで上ぶれ、利益は、売上総利益が計画を上回り、貸倒実績率の減少により貸倒費用が減少し、為替差益も発生したことが上方修正要因となった。

続く今2016年3月期業績のガイダンス(予想)は、5月14日に予定している前期決算の発表を待たなければならないが、急落していたWTI価格の持ち直しも目立ってきていることから、配当などの株主配分策とともに期待を高めてくる。

■PER7倍台、PBR0.8倍の修正で高値にキャッチアップ

株価は、前期3Q開示時の前期売り上げの下方修正と3Q利益の2ケタ続伸・高進捗率が綱引きをし、さらに同社が福井県に本社を置き、北陸地方を主要地盤としていることから北陸新幹線開業の前景気も加わって年初来高値3005円をつけ、前期期末の配当権利落ちとともに同安値2530円まで下ぶれ、前期3回目の自己株式取得を発表したことで2652円と買い直され25日移動平均線を挟んで下値固めを続けてきた。PERは7倍台、PBRは0.8倍の超割安修正で一段の戻りを試し、3月につけた年初来高値にキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る