【編集長の視点】DMPは続落も連続黒字業績の再評価にAI関連株人気再燃がオンして逆張りも一考余地

 ディジタルメディアプロフェッショナル<DMP、3652>(東マ)は、前週末15日に90円安の6740円と2日続落して引けた。同社株は、全般波乱相場が響いてつけた直近安値6090円から1000円超幅の急伸を演じており、週末を控えて目先の利益を確定する売り物が出た。ただ大引けでは、取引時間中につけた安値より150円戻しており、下値には今2019年3月期業績が、連続の2ケタ増収で黒字を継続と予想されていることを見直した逆張りの買い物が続いた。今年6月13日から15日まで開催されていた「画像セッション展2018」で新製品のエッジAIプロセッサ「ZIA DV700」、「DV500」をデモ展示したことも、AI関連株人気の再燃期待につながった。またテクニカル的にも、上場来高値1万7470円をつけた今年1月から日柄で5カ月を経過し、値幅も6割下げと日柄・値幅調整一巡を示唆しており、下げた株ほどよく戻るとする「リターン・リバーサル」買いも一考余地がありそうだ。

■「RS1」の量産が本格化し新規のAI製品・サービスも上乗せ

 同社の今2019年3月期業績は、売り上げ12億円(前期比23.2%増)、営業利益1億円(同43.3%増)、経常利益1億円(同50.6%増)、純利益9000万円(同17.6%減)と予想されている。純利益は、前期に特別利益として計上した販売代理店契約解約に伴う清算金5100万円が一巡して減益転換するが、売り上げは前期に続き2ケタの増収で、営業利益、経常利益は、前期に続く黒字幅をさらに拡大させる。

 前期から量産・出荷を開始した次世代画像処理半導体「RS1」が、複数の大手優良顧客に採用されて販売数量をさらに拡大させ、今年4月発売のエッジ向けAIプロセッサーの第2弾「ZIA DV500」や同「DV700」を搭載したFPGAプラットフォームの提供などAI製品・サービスを拡充させ、さらにAIアルゴリズムを従来の10倍以上の処理効率で実行可能とする「省電力AIエンジンと人工知能プラットフォーム」の開発契約を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から追加委託したことなどが要因となる。「画像セッション展2018」に「DV700」、「DV500」をデモ展示したことで業績寄与度は、一段と高まってくる。

■最高値からの日柄・値幅調整一巡で値幅効果を期待しなお「リターン・リバーサル」買いのチャンス

 株価は、前期第2四半期純利益の上方修正にモルフォ<3653>(東マ)などとAIを使用したディープラーニング(深層学習)技術の提供が続いて上場来高値1万7470円まで3.5倍の大化けを演じた。同最高値後は、世界同時株安の波及に全般相場が主力銘柄買い・新興株売りを強めたことで下値を探り、年初来安値5040円までほぼ往って来いの調整をした。同安値からは、「DV500」の提供開始でストップ高し窓を開けて急伸し、今期業績の続伸予想も追い風になって9030円の戻り高値まで買い進まれた。足元では、このリバウンド時に開けた窓を埋めて出直ってきているところだが、最高値からの日柄が、調整一巡のメドとされる5カ月目を過ぎ、値ごろも最高値からなお6割下げた水準にある。大きく下げた分だけ大きく戻す「リターン・リバーサル」買いの好機を示唆しており、値幅効果を発揮して最高値からの調整幅の3分の1戻しの戻り高値を上抜き、さらに半値戻しの1万1000円台奪回と底上げに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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