【編集長の視点】ホクリヨウは続落も1Q高進捗率業績を再評価し割安IPO株買いが再燃余地

編集長の視点

ホクリヨウ<1384>(東2)は、7円安の475円と続落して始まり、前週末20日につけた上場来安値473円を前に下値を再確認する動きを続けている。同社株は、前週末20日に公開価格460円で新規株式公開され、初値を501円でつけ上場来高値505円まで買われ、地相場模索を続けているものだが、IPOと同時に発表した今8月期第1四半期(1Q)業績が、四半期決算は初作成となるため前年同期比較はないものの、8月通期業績対比で高利益進捗率を示したことを見直し、割安IPO株買いが再燃する展開が想定される。

■鶏卵相場上昇で1Q利益は通期業績比65~89%の高進捗

今期1Q業績は、売り上げ38億4900万円、経常利益3億4700万円、純利益2億4200万円で着地し、8月通期予想業績の売り上げ149億700万円(前期比12.6%増)、経常利益5億2600万円(同27.1%増)、純利益2億6900万円(同4.98倍)に対する利益進捗率は、65~89%と目安の25%を大きく上回った。同社は、北海道を中心に鶏卵の生産から販売までを自社内で一貫して展開し、北海道での採卵鶏飼養羽数シェアは、約50%を誇っており、1Qの鶏卵相場が、円安で飼料価格が高止まりし、また2013年夏の猛暑で北海道の飼養羽数も減少したことなどを背景に、Mサイズ平均で前年同期比1.08円高の1キログラム=219.54円と上昇し、販売重量も1万5541トンとなったことなどが要因となった。

また同社は、昨年4月に岩手県の第一ポートリファームの株式を取得して子会社化し、本州に初進出しており、同子会社の工場増強や同時に開設した盛岡支店でのスパー向け直販比率増加などを進めており、これも業績を押し上げる。

■PER11倍台、配当利回り2%をテコに「小さく産んで大きく育てる」妙味十分

株価は、公開価格比8.9%高の501円で初値をつけ505円高値で上値が重くなるなど、IPO人気が鈍い東証2部株特有の株価展開となったが、PERは11倍台、配当利回りも、今期予想配当10円に対して2.10%と大きく割り負けている。IPO投資の基本は「小さく産んで大きく育てる」こととされており、この鉄則通りに前向きに対処して妙味が大きそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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