【編集長の視点】モルフォは続落も2Q大幅増益転換業績とリリースが相次ぐ新製品を手掛かりに押し目買いが交錯

 モルフォ<3653>(東マ)は、前日29日前場に3165円まで買われる場面があったが、大引けで30円安の3070円と3営業日続落した。日経平均株価が、低調決算を発表した輸出関連株売りを中心に一時、139円安と売られたことが波及し、7月16日に年初来高値3495円まで買い進まれた同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ25日移動平均線水準で下げ渋る動きもみせており、今年6月14日に発表した今2019年10月期第2四半期(2018年11月~2019年4月期、2Q)累計業績の大幅増収増益着地と相次ぐ新製品のリリース、業務提携などを手掛かりに押し目買いも交錯した。テクニカル的にも、今年6月17日にストップ高して25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現した上昇トレント転換の示唆や、かつて1万円大台で活躍した高株価実績も意識されている。
■相次ぐ新製品や業務提携で画像処理技術のグローバルスタンダード化を目指す

 同社の今10月期2Q累計業績は、売り上げ12億5300万円(前年同期比18.4%増)、営業利益2億9300万円(同60.4%増)、経常利益2億8600万円(同74.3%増)、純利益1億8700万円(同73.0%増)と大きく増収増益転換した。同社は、自社開発のデジタル画像処理技術のグローバルスタンダード化を目指している研究開発先行型企業で、今年2月には記者会見映像の明暗差が起こるフラッシュバンド現象を補正・低減するソフトウェア「Morpho Deflash」、3月にはカメラで撮影した画像から人物の領域をAI(人工知能)により推定し背景をぼかすソフトウェア「Morpho Portrait Bokeh」などの新製品を相次いでリリースし、売上収益構成でもビジネスモデル別にロイヤリティ収入が、中国、北米のスマートフォンメーカーを中心に伸び、受託開発収入も、車載関連が引き続き好調に推移したことなどが要因となった。

 この2Q累計決算とともに米国のモバイル通信技術大手のクアルコムとの新モバイル向けプロセッサ「Snapdragon665」のモバイルカメラ機能強化で提携を発表したが、このほかにもねこじゃらし(東京都中央区)と映像処理クラウドサービスで共同開発を進め、ヌーベルグループ(東京都千代田区)とAIによる映像制作業務と効率化で業務提携しており、新中期経営計画に基づく成長戦略が相次いでいる。

 今2019年10月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ28億円(前期比15.8%増)、営業利益5億円(同25.2%減)、経常利益5億円(同24.5%減)、純利益3億1200万円(同32.9%減)と見込んでいるが、今後の新製品効果などが注目される。

■ストップ高でGCを示現して上昇トレンド転換し高株価実績を意識

 株価は、今期2Qの好決算とクアルコムとの業務提携を評価して窓を開けてストップ高し、その後も小惑星探査機「はやぶさ2」関連人気、東京電力<9501>(東1)のグループ会社との水力発電施設の人影検出技術の実証実験に参加したことなどが続いて年初来高値3495円まで短期1カ月で68%高した。この間、GCを示現して上昇トレンド転換を鮮明化し、足元では25日移動平均線で下値を確認するスピード調整を続けている。かつては、株式分割(1株を3株に分割・基準日2015年4月30日)の権利取りで上場来高値1万7500円、分割権利落ち後も1万1080円をつけた高値実績があり、年初来高値抜けから一段の上値トライに進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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