【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは16年3月期の収益改善期待で切り返しのタイミング

銘柄分析

 トーソー<5956>(東2)はカーテンレールやブラインド類の大手である。株価は3月高値から反落して調整局面だが、16年3月期の収益改善期待で切り返しのタイミングだろう。なお5月12日に15年3月期の決算発表を予定している。

 カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなど介護用品事業も展開している。中期戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅分野の大型案件獲得、海外での大型案件獲得、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大などを掲げている。

 前期(15年3月期)の連結業績見通し(10月31日に減額修正)は売上高が前々期比4.7%減の228億円、営業利益が同38.0%減の6億40百万円、経常利益が同38.6%減の6億20百万円、純利益が同30.5%増の2億60百万円で、純利益は東京都家具厚生年金基金の特例解散決議に伴う特別損失1億89百万円計上も影響する。配当予想(5月8日公表)は前々期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 第3四半期累計(4月~12月)は、住宅関連市場における消費増税の反動影響が長期化して減収減益だった。ただし四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)53億10百万円、第2四半期(7月~9月)55億38百万円、第3四半期(10月~12月)53億38百万円、営業利益は第1四半期9百万円、第2四半期2億25百万円、第3四半期1億04百万円である。消費増税の反動影響は概ね一巡しているようだ。

 今期(16年3月期)は消費増税の反動影響一巡、営業強化や高付加価値製品の拡販、製造コスト上昇や配送コスト上昇に対応した製品値上げ浸透などの効果で収益改善が期待される。

 株主優待は毎年3月31日現在の株主に対して実施し、1単元(100株)以上所有株主に対して1000円相当の優待品、10単元(1000株)以上所有株主に対して3000円相当の優待品を贈呈する。また環境保全活動の一環としてインドネシア共和国における「植林活動への寄付」も設けている。

 株価の動き(3月6日から貸借銘柄)を見ると、3月高値551円から反落して調整局面となった。4月22日には500円まで下押す場面があった。ただし売られ過ぎ感を強めて500円近辺では下げ渋る動きだ。

 5月1日の終値504円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS24円92銭で算出)は20倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS975円99銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、52週移動平均線がサポートラインとなって下げ渋る形だ。0.5倍近辺の低PBRも評価材料であり、16年3月期の収益改善期待で切り返しのタイミングだろう。

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