テクマトリックスの今期業績は最高益更新を見込む、株価は年初来高値744円を上回る可能性高まる

■医療分野におけるマイナンバーの利用拡大も追い風

 8日引け後に発表されたテクマトリックス<3762>(東1)の今期16年3月期連結業績予想は、過去最高益更新が見込まれることから、株価は5月1日に付けた年初来高値744円を上回る可能性が高まってきた。

 16年3月期連結業績予想は、売上高204億円(前期比10.8%増)、営業利益13億(同15.0%増)、経常利益13億円(同14.8%増)、純利益8億40百万円(同43.7%増)と2ケタ増収増益で過去最高を見込む。

 同社の事業は、情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業の2事業を展開している。

 基本方針としては、企業のITシステムの投資の方向性が、オンプレミス型(所有)からクラウド型(利用)へと加速度的に変化している状況に合わせ、同社グループは、「クラウド関連事業の戦略的・加速度的展開」を促進する。また、身の回りの様々なデバイスが、組込ソフトにより電子的に制御される時代が来て、デバイスがインターネットで相互に接続されるため、ネットのセキュリティの需要が高まっていることから、「セキュリティ&セイフティ」の追求を二つ目の戦略としている。

 情報基盤事業では、クラウド時代に対応し、サイバー攻撃を防御する次世代ネットワーク・セキュリティ関連商材とそれに関するサービスの拡充を目指す。また、スマートフォン・ユーザーが増加したことで、インターネット上の通信量は飛躍的に増加しており、情報セキュリティに関する脅威が高まっているため、データセンター事業者、クラウドサービス事業者や一般企業における情報基盤への設備投資は増加するものと見ている。その結果、情報基盤事業の今期の売上高は138億円を見込んでいる。

 アプリケーション・サービス事業については、CRM分野、医療分野、インターネットサービス分野において、クラウドサービス(SaaS)を加速度的に推進する。また、他社に先行してサービスを開始している医療情報クラウドサービス「NOBORI」は、中規模病院を中心に導入が進んでいる。導入件数は他社を圧倒し、断トツの1位となっている。今後は、保管するデータを現在の放射線画像データから、様々な医療関連データへと拡張し、医療情報プラットフォームとしてサービスの拡大を目指す。医療分野におけるマイナンバーの利用拡大も追い風と同社では捉えている。更に、ソフトウェアの品質保証分野においては、組込みソフトウェアの品質向上は社会的にも非常に重要な課題となっているため、医療機器、自動車、鉄道、電子機器等の様々な分野でのニーズが高まってきている。そこで、同社では組込みソフトウェアの品質向上・機能安全に対する需要を捉えていくと共に、複雑化、大規模化する企業内情報システム分野におけるニーズにも応えていく方針。その結果、アプリケーション・サービス分野の売上高は66億円を見込んでいる。

 時代の流れに沿ったニーズを的確に捉え、ストック型のサービスを提供していることから、同社の事業拡大は順調に推移している。

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