アイリックコーポレーションは売り一巡、20年6月期増収増益予想

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 アイリックコーポレーション<7325>(東マ)は、自社開発の保険分析・検索システムを活用した来店型保険ショップ「保険クリニック」を主力として、AI搭載次世代型OCRなどのシステム開発も展開するFintech企業である。20年6月期増収増益予想である。新型コロナウイルス感染拡大で一部店舗の営業時間短縮などの影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で上場来安値を更新したが、売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■来店型保険ショップ「保険クリニック」やシステム開発を展開

 自社開発した業界唯一のワンストップ型保険分析・検索システム「保険IQシステム」を活用し、来店型保険ショップ「保険クリニック」を直営とFCで全国展開している。19年6月期末の店舗数は直営38店舗、FC159店舗である。

 Fintech企業としてシステム開発も展開し、19年1月子会社インフォディオが保険証券をテキストデータ化する「保険証券OCRサービス」を開始した。

 事業区分は、来店型保険ショップ直営店と法人向け営業の保険販売事業、来店型保険ショップFC部門やAS部門(保険IQシステムと同等の機能を持った生命保険現状把握・検索提案ASシステム提供)のソリューション事業、子会社インフォディオが展開するスマートOCR(AI搭載次世代型OCR)開発・提供のシステム事業としている。

 保険販売事業は保険会社からの手数料、FC部門は初期登録料・月額利用料・ロイヤリティおよび保険会社からの共同募集手数料、AS部門はシステム利用料が主な収益となる。

 中期成長戦略としては直営店の出店拡大、他業界からの出店によるFC店の拡大、証券分析代行サービスの拡大、スマートOCRの展開加速などを推進している。20年2月には北陸銀行に、生命保険現状把握・検索提案ASシステム、およびASシステムのオプション機能である証券分析AIアシスト機能を導入した。

■20年6月期増収増益予想

 20年6月期の連結業績予想は、売上高が19年6月期比8.3%増の41億91百万円、営業利益が12.1%増の6億31百万円、経常利益が16.3%増の6億36百万円、純利益が22.3%増の4億円としている。

 売上高の計画は、保険販売事業が税制改正に伴う一部法人向け商品の販売停止の影響で1.5%減収、ソリューション事業がFC店舗数増加やASシリーズのID数増加で30.8%増収、システム事業がスマートOCRの拡大で24.4%増収としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比16.9%増の20億56百万円、営業利益が11.8%増の2億50百万円、経常利益が25.8%増の2億54百万円、純利益が26.3%増の1億53百万円だった。

 保険販売事業が直営店部門の好調で13.1%増収、ソリューション事業がFC部門の堅調推移や教育研修・コンサルティング売上の拡大で21.0%増収、システム事業がスマートOCRの拡大などで41.6%増収と伸長した。増収効果で販管費増加を吸収して2桁増益だった。なお第2四半期末時点の店舗数は直営店42店舗、FC173店舗、ASシリーズID数は7678IDとなった。

 第3四半期以降には新型コロナウイルス感染拡大で一部店舗の営業時間短縮などの影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価(19年4月1日付で株式2分割)は地合い悪化で上場来安値を更新したが、売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。3月24日の終値は919円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS46円85銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想10円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS392円06銭で算出)は約2.3倍、時価総額は約78億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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