メディカル・データ・ビジョンがオンライン診療の推進に向け「ポケットカルテ」の非営利法人と連携を強化

新製品&新技術NOW

■規制緩和により初診はバックグラウンド(既往歴や処方歴など)なしとなり医師の負担や患者の不安解消めざす

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は4月8日朝、「ポケットカルテ」を運営する特定非営利活動法人日本サスティナブル・コミュニティ・センター(京都市、新川達郎代表理事、SCCJ)との連携を強化し、新型コロナウイルス感染の拡大にともない時限的に規制緩和されるオンライン診療などを推進するとした。

 株価は取引開始後に685円(6円高)をつけ、出直り途上の中段もちあいを形成しながら再び強含んでいる。

■「ポケットカルテ」と「カルテコ」でエビデンスに基づいた診療が可能に

 「ポケットカルテ」は、SCCJ京都医療センター医療情報部長・北岡有喜博士が考案・開発した個人向け健康情報管理サービス基盤で、2008年6月にサービスを開始し、現在の利用者は約6万1500人(2020年1月末時点)に達している。

■メディカル・データの「カルテコ」は約2万2000人が活用

 患者は電子化・一元管理された健康・医療情報をスマートフォン(スマホ)などで簡単に閲覧できる。特定健診結果も保管でき、それをもとに保健指導を受けることができる。また、紹介状(診療情報提供書)や入退院サマリーの管理ができるほか、「電子版お薬手帳」の機能も備えている。

 一方、メディカル・データ・ビジョン(MDV)は、患者がスマホなどで健康・医療情報を閲覧できるWEBサービス「カルテコ」を開発、病院向けソリューション「CADA-BOX(カーダボックス)」のメーンサービスとなっている。

 「カルテコ」では、医用画像や健診結果のほか、自分で計測した血圧などのバイタルデータの保管・閲覧が可能。現在、全国7病院でサービスが稼働しており、利用者は約2万2000人(2019年12月末時点)。SCCJとMDVのそれぞれのサービスは国の医療情報システムの安全管理に関するガイドラインなどに準拠しており、病院情報システム等から発生した健康・医療情報を収集、患者からの同意取得の上で、自身が健康・医療情報を保管・閲覧できる仕組みを提供している。

 安倍晋三首相は7日夜に緊急事態宣言を発出、併せて緊急経済対策を公表した。同対策では、オンライン診療について、受診歴がない初診患者に電話や情報通信機器を使ったオンライン診療を認めた。

 この規制緩和では、患者のバックグラウンド(既往歴や処方歴など)を把握せずに診療することになり、これに対して不安を抱える医療者は少なくない。「ポケットカルテ」と「カルテコ」がその不安を軽減し、オンライン診療の推進につながる。

SCCJとMDVは、「ポケットカルテ」と「カルテコ」が連携するサービスを開発・提供することで合意した。今後、オンライン診療に携わる医療者に対して、PHRがエビデンスに基づいた患者情報を入手する最適なツールであることを周知するとともに、患者がオンライン診療をより容易に受けられるよう、さらなる機能強化を図っていくとした。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る