【編集長の視点】DIシステムはテレワーク関連株買いを2Q上ぶれ業績が支援して反発

ディ・アイ・システム<DIシステム、4421>(JQS)は、前日16日に29円高の1331円と4営業日ぶりに反発して引けた。今年5月7日から「テレワーク推進サービス」の提供を開始し、6月15日から「Java.総合プログラミング演習リモート研修サービス」の提供開始を予定していることを先取りしてテレワーク関連株買いが再燃した。今2020年9月期第2四半期(2019年10月~2020年3月期、2Q)累計業績が、期初予想を上回って減益転換率を縮小させたことも、今9月期通期業績の上ぶれ期待を高めて支援材料視されている。

■今期は先行投資期間で2年後の営業利益は2.2倍と高成長

 「テレワーク推進サービス」は、テレワークの環境構築を支援するためにリモートアクセス、WEB会議・ビジネスチャット、eラーニング、ネットワーク・セキュリティなど幅広いソリューションを提供する。なかでもWEB会議は、すでに2014年4月にペーパーレス会議システム「Smart Zira」として自社開発してリリースされており、社内の情報を共有しビジネススピードを向上させセキュリティも強化するなど優位性を発揮している。またリモート研修プログラムも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で企業の在宅勤務が増加する環境下、新入社員ばかりか中途社員、遠隔地の待機社員を含めて社員教育を効率化するEラーニングシステムとなっている。導入企業の増加が期待される。

 一方、今期2Q累計業績は、前年同期比20.7%増収、25.2%営業減益、14.7%経常減益、16.4%純益減益と減益転換したが、減益率そのものは、期初予想を上ぶれ縮小させた。推進中の3カ年の中期経営計画で、今期は先行投資期間と位置付け、労働環境のフレキシブル化、採用活動の積極化、横浜サテライトオフィスの新規開設や大阪事業所オフィス増床などを優先したが、上場効果で元請け比率が前期末比3.4%向上し、順調な顧客獲得や既存顧客の取引拡大の増収効果や人件費・経費削減などもオンして減益転換率を縮小させた。

 今2020年9月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ45億2200万円(前期比17.3%増)、営業利益1億3800万円(同41.4%減)、経常利益1億3500万円(同38.3%減)、純利益9400万円(同39.5%減)と見込んでいる。ただ中期経営計画では、この先行投資効果で来2021年9月期は売り上げ50億8600万円、営業利益2億2300万円、来々2022年9月期は売り上げ57億1900万円、営業利益3億400万円を目標にしており、営業利益は、2年後に今期予想比2.2倍の高成長を見込んでいる。

■GC示現で上昇トレンドに拍車を掛けまず年初来高値奪回に再発進

 株価は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安に巻き込まれて上場来安値778円まで売られたが、新入社員向けのリモート研修サービスやテレワーク推進サービスの提供開始などとテレワーク関連材料が相次いだことを手掛かりに底上げし、今期2Q累計業績の上ぶれ着地も追撃材料になって1451円まで86%超の大幅高を演じた。このため25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンドに拍車を掛けた。足元では25日線水準でもみ合っているが、もみ合い上放れからまず年初来高値1645円を奪回し、次の上値フシとして2019年9月高値1908円が意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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