エフティグループは自社ストックサービスを拡大

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 エフティグループ<2763>(JQ)は、ネットワークインフラ事業や法人ソリューション事業などを展開し、小売電力サービスなど自社ストックサービスの拡大戦略を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスに伴う不透明感を考慮して減益予想としている。当面は経済収縮の影響が意識されるが、期後半からの回復を期待したい。株価は戻り一服となって小幅レンジでモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■自社ストックサービスを拡大

 法人事業(中小企業・個人事業主向けOA機器・ビジネスホン・UTM・セキュリティ関連機器などの情報通信サービス、LED照明・空調設備・節水装置などの環境省エネサービス、光回線などのインターネットサービス、電力小売の電力サービス)と、コンシューマ事業(一般消費者向け光回線インターネットサービス、太陽光発電設備・蓄電池等の環境省エネサービス)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は法人事業が81%、コンシューマ事業が19%、利益構成比は法人事業が78%、コンシューマ事業が22%だった。なお21年3月期からセグメント区分をネットワークインフラ事業(小売電力サービス、回線サービス、節水サービス)、法人ソリューション事業(情報通信サービス、環境サービス)、その他事業(蓄電池サービス、その他)に変更する。

 自社ストックサービス(小売電力サービス、クラウド型サーバ、ネットセキュリティ系サービス、データ復旧サービスなど)を重点分野と位置付けて拡大戦略を推進している。20年3月期のストック売上比率は41.8%となった。

 M&A・アライアンスも積極活用している。19年11月デジタルデータソリューションと共同(業務委託契約)でドローン保険制度を運営するエアロエントリーに対してドローンデータ復旧サービスの提供を開始、19年12月シリコンパワージャパンに対してデータ復旧サービスの提供を開始、20年6月ライトアップと中小企業向け助成金・補助金受給支援で業務提携した。

 一方では選択と集中の観点から、19年4月東北地区で展開していたドコモショップ運営から撤退、19年6月タイ・フィリピン・インドネシアの連結子会社4社の株式の80%をレカム<3323>に譲渡した。20年5月には、コンシューマ向け太陽光発電設備等の販売・施工を展開する連結子会社アローズコーポレーションの株式の一部を譲渡し、持分法適用会社とした。また20年7月31日(予定)には子会社アレクソンの株式をNo.1<3562>に譲渡する。

■21年3月期減益予想だが期後半からの回復期待

 21年3月期連結業績(IFRS)予想は、売上収益が20年3月期比6.8%増の490億円、営業利益が4.1%減の60億円、そして親会社所有者帰属当期利益が2.5%減の38億円としている。配当予想は20年3月期と同額の61円(第2四半期末26円、期末35円)としている。

 自社商品サービスの企画・開発・販売・コンサルティングによってストック収益の拡大(ストック売上高計画は30.2%増の250億円)を推進するが、新型コロナウイルスに伴う不透明感を考慮して減益予想としている。なお子会社アレクソンの株式譲渡に伴う影響については精査中としている。当面は経済収縮の影響が意識されるが、期後半からの回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服となって小幅レンジでモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。7月15日の終値は1284円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円27銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の61円で算出)は約4.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS484円22銭で算出)は約2.7倍、時価総額は約427億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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