ソーバルは新型コロナ影響で21年2月期減収減益予想だが後半回復期待

日インタビュ新聞ロゴ

 ソーバル<2186>(JQ)は組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開し、請負拡大による高収益化や新規技術分野開拓を推進している。21年2月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想だが、後半の回復を期待したい。なお配当は増配予想としている。株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお9月30日に第2四半期決算発表を予定している。

■組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開

 組み込みソフト開発、ウェブ・スマホアプリ開発、ハードウェア設計・開発などのエンジニアリング事業を展開している。技術力と経験豊富な人材を合わせ持つ独立系組み込みソフト開発企業で、優良な大口顧客と強固な信頼関係を構築していることも特徴だ。

 成長戦略として、請負拡大による収益構造の転換、顧客や分野の多様化、自動車・AI・IoTなど新規技術分野の開拓、プロジェクト管理体制強化による不採算化抑制、人材の採用・教育の強化、国内外の外部委託先(パートナー企業)との長期的なリレーション構築の強化を推進している。

 20年2月期の顧客別売上構成比は、キヤノングループが31.6%(うちキヤノンが28.2%)、ソニーグループが20.0%、富士通グループが10.7%、日立グループが3.0%、リクルートグループが2.6%、NTTグループが2.3%、その他が29.8%だった。19年2月期との比較で見るとキヤノングループが低下し、ソニーグループと富士通グループが上昇した。取引社数は19年2月期比9社増加して193社となった。顧客の多様化とキヤノングループ依存体質からの脱却も進展している。

 契約種別比率は請負59.5%、派遣40.5%(19年2月期請負53.9%、派遣46.1%)となった。請負拡大による高収益化も進展している。

 なお19年12月IoTシステム構築のMomo社と連携、20年2月データ・分割・高速暗号化ソフトウェア製品のUbiq社と国内販売代理店契約締結した。

■21年2月期は新型コロナ影響で減収減益予想だが後半回復期待

 21年2月期の連結業績予想(6月30日未定に修正、7月8日減収減益予想に修正)は、売上高が20年2月期比7.7%減の77億円、営業利益が68.4%減の2億円、経常利益が38.0%減の4億円、純利益が45.0%減の2億40百万円としている。配当予想は据え置いて、2円増配の32円(第2四半期末16円、期末16円)としている。

 一部の主要顧客において新型コロナウイルスの影響を受けるため減収減益予想としている。休業を余儀なくされた分については政府の補助金などを利用する。重点施策としては、体制構築が進んだ請負業務の拡大、優良顧客からの継続受注、プロジェクト管理体制の継続強化、部門間のクロスセル体制強化、ベースアップ・同一労働同一賃金対応を含む人材投資の実施、AIを中心とする高度IT人材の育成加速、アライアンスによる新規分野収益案件の獲得などを推進する。

 なお第1四半期は、売上高が前年同期比9.5%減の18億87百万円、営業利益が26.7%減の1億42百万円、経常利益が25.5%減の1億43百万円、純利益が31.2%減の84百万円だった。一部の主要顧客における休業の影響で減収減益だった。通期ベースでも新型コロナウイルスの影響を受けるが、後半の回復を期待したい。

■株主優待制度は毎年8月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年8月31日現在1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。9月2日の終値は980円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS30円51銭で算出)は約32倍、今期予想配当利回り(会社予想の32円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS392円59銭で算出)は約2.5倍、時価総額は約80億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る