【業績でみる株価】フライトHDは次世代Incredistを北米で15年下期に投入、大幅増益期待、配当実施が射程圏内

業績で見る株価

フライトホールディングス<3753>(東マ・売買単位100株)はマイナンバー関連の開発案件や物流関連の大型案件が売上高に計上されるため2016年3月期前期比31.9%の大幅増収となる21億円を確保する見込みだ。にもかかわらず、営業利益は6000万円(前期実績5900万円の赤字)、経常利益は3000万円(同6200万円の赤字)、当期純利益は2500万円(同8400万円の赤字)と、利益水準は低空飛行を余儀なくされる見通しだ。ちなみに2014年3月期は売上高19億1100万円で、営業利益は1億7900万円を計上していることを勘案すると今期の利益予想は「満足のいくものではない」(国内証券筋)。

これに対して、会社側は「今期はC&S事業で数十人の人員増加を図り、人件費が数千万円増えるうえに、米国での電子決済ソリューション戦略に絡んで1億5000万円の先行投資負担が発生するため」(片山圭一郎社長)と説明している。米国はEMV(IC付クレジット)決済の普及率が5%(ヨーロッパ90%)と低く、今後、飛躍的に向上すると予想される。こうしたなか、同社は画期的なAppiePay対応次世代Incredistを北米で2015年下期に投入する計画だ。競合機種が僅かななか、世界先行モデルを発売するインパクトは大きい。

今期は、来期以降から着実に成長を遂げるための「布石づくり期間」(同)であるといえよう。2017年3月期は、こうした先行投資の効果が表面化し、負担がなくなるために収益力は大きく改善される公算が大きい。2017年3月期は売上高30億円前後、営業利益2億円以上が期待され、「売上高、利益が確実に伸びることが確認できれば、2017年3月期に配当をできれば実施したい」(同)としている。

株価は利益水準の低さを反映して550円前後の底値圏でのもみ合いとなっている。しかし、配当実施の可能性が高まってくれば、相場付に変化が徐々に出てくる可能性があるだろう。年初来高値は746円(1月5日)、同安値は491円(2月13日)、25日終値は553円。

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