ジーニーは21年3月期3Q累計営業黒字転換、通期上振れ余地

(決算速報)
 ジーニー<6562>(東マ)は2月12日の取引時間終了後に21年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。SaaSビジネス領域の成長などで収益性が改善して営業黒字転換した。通期黒字予想を据え置いた。第3四半期の利益急回復を勘案すれば通期上振れ余地もありそうだ。成長分野への投資負担を吸収して収益改善基調を期待したい。株価は水準を切り上げて底練りから脱している。第3四半期累計の営業黒字転換を好感して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期3Q累計営業黒字転換、通期予想据え置きだが上振れ余地

 21年3月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比5.2%減の101億56百万円、営業利益が37百万円の黒字(前年同期は1億65百万円の赤字)、経常利益が2百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、EBITDAが5.1倍の3億円、四半期純利益が23百万円の赤字(同2億06百万円の赤字)だった。

 アド・プラットフォーム事業は1.2%減収、マーケティングソリューション事業は28.4%減収、海外事業は10.5%減収だった。新型コロナウイルスによる広告出稿抑制の影響や、海外の一部不採算事業の縮小などで減収だった。ただしマーケティングソリューション事業におけるSaaSビジネス領域の成長などで収益性が改善して営業黒字転換した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高30億63百万円で営業利益1億32百万円の赤字、第2四半期は売上高33億67百万円で営業利益9百万円の黒字、第3四半期は売上高37億26百万円で営業利益1億60百万円の黒字だった。第2四半期に営業黒字転換し、第3四半期は計画以上に営業黒字拡大した。なお第3四半期の売上総利益は7億56百万円で、四半期ベースとして過去最高を更新した。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が20年3月期比8.6%増の155億80百万円、営業利益が1億86百万円の黒字(20年3月期は91百万円の赤字)、経常利益が1億74百万円の黒字(同1億41百万円の赤字)、EBITDAが2.6倍の5億49百万円、当期純利益が1億34百万円の黒字(同1億78百万円の赤字)としている。

 売上総利益は25.5%増の計画である。第3四半期が想定以上に利益増進し、さらに第4四半期も上場来最高の売上総利益を目指すとしている。第3四半期の利益急回復を勘案すれば通期上振れ余地もありそうだ。成長分野への投資負担を吸収して収益改善基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は水準を切り上げて底練りから脱している。第3四半期累計の営業黒字転換を好感して戻りを試す展開を期待したい。2月12日の終値は869円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS7円48銭で算出)は約116倍、時価総額は約156億円である。

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