ゼリア新薬工業は24年3月期営業微増益だが、経常・最終2桁増益で連続増配予想

(決算速報)
ゼリア新薬工業<4559>(東証プライム)は、5月11日の取引時間終了後に23年3月期連結業績を発表した。大幅増収増益だった。医療用医薬品事業の海外の好調が牽引し、コンシューマーヘルスケア事業も回復基調だった。24年3月期は研究開発費の増加などを考慮して営業利益が微増益だが、経常利益と純利益は2桁増益予想としている。配当も連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値圏だ。そして18年の高値に接近している。好業績や連続増配を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期大幅増益、24年3月期経常・最終2桁増益予想

23年3月期の連結業績は売上高が22年3月期比14.9%増の683億83百万円、営業利益が41.6%増の90億14百万円、経常利益が27.7%増の75億79百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が56.4%増の61億95百万円だった。配当は、22年3月期比5円増配の40円(第2四半期末18円、期末22円)とした。配当性向は28.5%となる。

大幅増収増益だった。医療用医薬品事業の海外の好調が牽引し、コンシューマーヘルスケア事業も回復基調だった。なおスイスフラン高の影響で営業外の為替差損益が悪化(22年3月期は為替差損3億29百万円、23年3月期は為替差損14億16百万円)した。

医療用医薬品事業は売上高が16.6%増の431億45百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が26.2%増の87億21百万円だった。潰瘍性大腸炎治療剤アサコールは、国内では薬価改定や競合品の影響で苦戦したが、海外市場において高用量製剤アサコール1600mgを中心に伸長した。炎症性腸疾患(IBD)治療剤エントコート(国内販売名ゼンタコート)は、海外市場のカナダやイタリアなどで大幅に伸長した。クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤ディフィクリアは、欧州の感染症診療ガイドラインで第一選択薬として推奨され、営業リソースの積極投入も寄与して売上が大幅に拡大した。

コンシューマーヘルスケア事業は売上高が12.1%増の250億85百万円、利益が23.1%増の49億70百万円だった。ヘパリーゼ群についてはコロナ禍やインバウンド需要減少の影響を受けたが、医薬品ヘパリーゼ群やコンビニエンスストア向けヘパリーゼW群が回復基調だった。コンドロイチン群も積極的な広告宣伝投資の効果で堅調だった。植物性便秘薬ウィズワン群は競合品の影響などで苦戦した。

その他(保険代理業・不動産賃貸収入)は売上高が2.8%減の1億52百万円、利益が7.2%減の2億42百万円だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高163億05百万円、営業利益29億77百万円、経常利益29億74百万円、第2四半期は売上高174億07百万円、営業利益29億17百万円、経常利益22億08百万円、第3四半期は売上高180億17百万円、営業利益26億56百万円、経常利益17億75百万円、第4四半期は売上高166億54百万円、営業利益4億64百万円、経常利益6億22百万円だった。

24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比6.8%増の730億円、営業利益が0.9%増の91億円、経常利益が18.7%増の90億円、そして親会社株主帰属当期純利益が13.0%増の70億円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は27.7%となる。

医療用医薬品事業は海外市場におけるアサコールやディフィクリアの伸長で増収、コンシューマーヘルスケア事業はヘパリーゼ群やコンドロイチンの売上増加などで増収を見込んでいる。利益面は、研究開発費の増加などを考慮して営業利益が微増益だが、経常利益と純利益は2桁増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価は年初来高値圏だ。そして18年の高値に接近している。好業績や連続増配を評価して上値を試す展開を期待したい。5月11日の終値は2414円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS158円80銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の44円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1484円79銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は約1282億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■レジレス無人店舗やスマート案内など、デジタル施策を集約した初の次世代店  ホームセンターのカイン…
  2. ■読書感想文から見えるヒット本動向、新作首位は『イン・ザ・メガチャーチ』  note<5243>(…
  3. ■耐衝撃性と高平坦性を備えた次世代AR材料  三井化学<4183>(東証プライム)は12月10日、…
2026年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

ピックアップ記事

  1. ■金融政策転換が映す相場の地殻変動、投資視点は次の段階へ  長期にわたり株式市場を押し上げてきた金…
  2. ■為替が握る業績相場の行方、円安継続が選別相場を加速  株式市場が金融環境主導の相場から業績重視の…
  3.  再生可能エネルギーの次を見据えた次世代エネルギー分野では、実用化への距離が縮まりつつある核融合発電…
  4. ■AI圏外で存在感を増すディープ・テック、次世代エネルギー関連株に再評価余地  ハイテク株市場では…
  5. ■米国政治と金融政策が揺さぶる新年相場  新春相場は、1月早々から重要イベントや主要経済指標の発表…
  6. ■干支格言「辰巳天井、午尻下がり」は再現するか  新年あけましておめでとうございます。いよいよ20…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る