【話題株】楽天は公募増資発表後10%安、株数7%増で調整は順当、発行価格決定日にかけて回復も

話題株

楽天<4755>(東1)は6月4日に発行株数が最大で約7%増加する公募増資を発表し、発表前日の終値2080.5円から8日の安値1862.5円まで都合218.0円(10.5%)の下落となった。増資では単純計算で需給が7%緩むことになるため1935円前後が妥当値になる。「相場には振れ過ぎ・行き過ぎがつきものなので、10%程度の調整はちょうどいいところかもしれない」(M証券)との受け止め方がある。

公募増資銘柄は、多くの場合、最初に株数の増加を織り込む下げが来て、その後は調達する資金の使途や積極投資などへの期待から株価が回復に向かう傾向があるようだ。とくに、発行価格(払い込み価格)決定日が迫ると株価回復が強まることが少なくないようだ。楽天の今回の公募増資の発行価格決定日は「6月23日から26日までのいずれかの日」。まだ2週間先のため、経験則通りに推移するとしても、株価の出直りにはまだ1週間以上の余裕があるといえる。

一方、調達する資金は「手取概算額合計上限1880億400万円」。このうち約1697億円は7月末までに償還期限を迎えるコマーシャル・ペーパー(商業手形割引証券)の償還資金と銀行からの借入金の返済に充て、残額を設備投資資金に充当する予定とする。何となく我が家のローン返済に似て親近感を覚えるが、市場筋の経験則通りに積極投資などへの期待が高揚するには少々頼りない配分かもしれない。

ただ、株価が現水準で下げ止まるとすれば、今年1月から5月にかけて1600円前後から2395円まで上げた相場の途中で小休止した水準でほぼ下げ止まることになり、チャート観測でも比較的よく見受けられる形になってくる。登山で言えば途中のベースキャンプに一旦は戻るような形になり、ここで小休止して再び登頂を開始すると見れば、タイミングとしては仕込み好機になるといえそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る