【チャートでみる株価】リネットJは急反落も1Qの最高営業利益をテコに2Q業績発表を先取り妙味

 リネットジャパングループ<リネットJ、3556>(東マ)は、連休明けの5月14日に今2021年9月期第2四半期(2020年10月~2021年3月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、今期第1四半期(2020年10月~12月期、1Q)のV字回復業績を手掛かりに年初来高値まで57%高と急騰した経緯から、この急騰再現を期待して2Q決算発表を先取り突っ込み買いも一法となりそうだ。4月25日から東京都など4都府県に3回目の緊急事態宣言が発令され、「巣ごもり需要」の再拡大が想定されることもフォローの材料として意識されそうだ。

■実質最高値からの調整幅の「半値戻し」をクリアし「全値戻し」に弾み

 株価は、昨年3月にコロナ・ショック安で上場来安値293円に突っ込み、前期業績の下方修正でも381円と売られたが、巣ごもり消費関連株人気でストップ高を交えて723円と上値を追い、今期業績の増益転換予想、今期1QのV字回復業績が続いて昨年来高値964円まで買い進まれた。同高値は、2017年に実施した株式分割を勘案して実質の上場来高値となる2019年2月高値1770円から昨年3月安値までの調整幅の半値戻しを達成したところで、足元では25日移動平均線を固める高値もみ合いを続けてきた。テクニカル的にも「半値戻しは全値戻し」のセオリーから、昨年来高値964円抜けで弾みをつけ1770円を目指す息長い上昇が有力となる。

■リユース事業にネット効果高まり小型家電リサイクル事業も提携自治体拡大

 同社の今期1Q業績は、売り上げ18億2500万円(前年同期比8.5%減)、営業利益2億1600万円(同5.10倍)、経常利益1億4900万円(同14.8%増)、純利益1400万円(同82.3%減)とV字回復して着地し、営業利益は四半期ベースとして過去最高となった。海外事業は、カンボジアでのマイクロファイナンス事業が好調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応して車両販売事業やリース事業の新規営業を一時停止した影響で売り上げは前年同期比71.6%減、セグメント利益は同60.6%減となった。しかしこの落ち込みを大きくカバーしたのが、国内Re事業で、リユース事業ではネットと宅配便を組み合わせて独自のビジネスモデルで「巣ごもり需要」を取り込み、小型家電リサイクル事業でも、提携自治体が前年同期の234自治体から346自治体に拡大しており、売り上げは同46.3%増、セグメント利益が2.82倍となったことなどが寄与した。なお純利益は、為替差損や借入金繰上返済関連費用を計上したことで続落した。

 今9月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ78億700万円(前期比14.2%増)、営業利益3億5500万円(同65.8%増)、経常利益3億1000万円(同28.3%増)、純利益2億4900万円(前期は16億200万円の赤字)とV字回復を見込んでいる。ただ今期1Q営業利益は、9月期通期予想業績に対して60.8%の利益進捗率と目安の25%を大きく上回っただけに、5月14日の今期2Q累計業績発表時の業績上ぶれ、業績ガイダンスへの期待を高めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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