日本エム・ディ・エム、26年3月期1Q大幅減益も通期増益予想据え置き、新製品拡販と症例数増が牽引

(決算速報)
 日本エム・ディ・エム<7600>(東証プライム)は7月30日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。調達コストおよび自社製造コスト上昇などで大幅減益だった。ただし通期増益・最終黒字予想を据え置いた。新製品投入等による獲得症例数の増加、為替のマイナス影響の緩和などに加え、特別損失の一巡も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は安値圏で軟調だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■26年3月期1Q大幅減益だが通期増益予想据え置き

 26年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比2.2%減の59億20百万円、営業利益が58.9%減の1億50百万円、経常利益が71.4%減の1億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が75.9%減の65百万円だった。

 大幅減益だった。売上高が減少した影響に加え、売上原価では調達コストおよび自社製造コストが上昇した。販管費では賃上げによって人件費が増加したほか、米国において2年に一度開催している自社主催のセミナー開催費用が発生したことも影響した。

 セグメント別(セグメント間取引・全社費用等調整前)に見ると、日本は売上高が0.5%増の31億99百万円で営業利益が46.1%減の84百万円、米国は売上高が8.7%増の40億79百万円で営業利益が51.7%減の93百万円だった。米国の外部顧客向け売上高は米ドルベースで2.3%増の18百万円米ドル、円換算後で5.1%減の27億21百万円だった。米国売上の為替換算レートは1米ドル=145円21銭(前年同期は1米ドル=156円55銭)だった。

 医療機器類の品目別売上高(セグメント間取引相殺消去後、日本は販売促進費控除前、米国は円換算後)は、人工関節は日本が1.5%増の12億15百万円で米国が5.2%減の27億百万円、骨接合材料(日本)は2.9%減の10億48百万円、脊椎固定器具(日本と米国の合計)は2.8%増の8億98百万円だった。自社製品売上比率は1.7ポイント低下して79.5%となった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比5.1%増の264億円、営業利益が18.9%増の18億50百万円、経常利益が14.2%増の17億円、親会社株主帰属当期純利益が14億50百万円(前期は4億61百万円の損失)としている。想定為替レートは1米ドル=145円(25年3月期は1米ドル=152円50銭)としている。配当予想は前期比2円増配の17円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は30.9%となる。

 新製品投入等による獲得症例数の増加、為替のマイナス影響の緩和などに加え、親会社株主帰属当期純利益については特別損失の一巡も寄与する見込みだ。なお25年3月期の未実現利益に係る税効果については、26年3月期末に繰延税金資産として計上する見込みである。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価調整一巡

 株価は安値圏で軟調だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。7月30日の終値は533円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS55円06銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS937円15銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約141億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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