協立情報通信は反発の動き、22年3月期収益拡大期待

日インタビュ新聞ロゴ

 協立情報通信<3670>(JQ)は、ソリューション事業とモバイル事業を展開し、中期成長に向けてサービスの高度化・多様化を推進している。22年3月期(決算期変更に伴う経過的処置で13ヶ月決算)は、DX関連や5G関連の本格化も背景として収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏で軟調だったが、徐々に下値を切り上げて反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■ソリューション事業とモバイル事業を展開

 中堅・中小企業のICT(情報通信技術)化実現に向けたソリューション事業、およびドコモショップ運営のモバイル事業を展開している。21年2月期のセグメント別売上高構成比はソリューション事業41%、モバイル事業59%、営業利益構成比(調整前)はソリューション事業59%、モバイル事業41%だった。

 ソリューション事業は、NEC<6701>、NTTドコモ<9437>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、日本マイクロソフト、サイボウズ<4776>の主要パートナー企業5社の製品・サービスを融合し、情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用の3分野を総合したワンストップソリューションの「経営情報ソリューションサービス」を提供している。

 体感型フューチャーラボの協立情報コミュニティーにおいて、製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。

 モバイル事業はNTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売(店舗事業)および法人向けモバイルソリューション(法人サービス事業)を展開している。

 中期成長に向けた基本戦略として、協立情報コミュニティーの活性化、パートナー企業との共同展開の積極化、物販からソリューションへのシフトなど、サービスの高度化・多様化を推進している。

 なお20年10月には多摩大学と、地域社会への貢献を目的とした包括連携に関する協定を締結している。

■22年2月期収益拡大期待

 22年3月期(決算期変更に伴う経過的処置で13ヶ月決算)連結業績予想は、売上高が50億円、営業利益が2億円、経常利益が2億10百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億40百万円としている。配当予想は21年2月期と同額の55円(期末一括)である。

 新型コロナウイルスの影響が継続するが、DX関連や5G関連の本格化も背景として、活用サービスの充実と融合ソリューションの提供、モバイル事業の利益率改善、サービスの高度化・多様化を強化する方針としている。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年2月末の株主対象

 利益還元については、配当性向30~40%程度を目途に、業績に連動させて適正な配当を行うとともに、万一業績が悪化したとしても一定の水準を維持していきたいとしている。

 株主優待制度は毎年2月末の株主を対象として、保有株式数に応じて島根県の特産品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 株価は年初来安値圏で軟調展開だったが、徐々に下値を切り上げて反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。7月5日の終値は1695円、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1475円59銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約20億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る