【注目銘柄】北越コーポは連続最高純益更新を手掛かりに低位割安株買いが拡大し3連騰

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 北越コーポレーション<3865>(東1)は、5月17日につけた年初来高値648円を視界に捉えた。今2022年3月期業績が、V字回復し純利益が前期に続き過去最高更新と予想されていることを見直し低位値ごろの割安株買いが増勢となった。新規事業の家庭紙事業に進出しRO膜支持体事業のグローバル生産体制の強化を進めることもポジティブに評価されている。

■前期は子会社売却益、今期は子会社固定資産売却益が上乗せ

 同社の今2022年3月期業績は、売り上げ2550億円(前期比14.6%増)、営業利益150億円(同8.81倍)、経常利益200億円(同2.05倍)と大きく増収増益転換し、純利益は170億円(同19.9%増)と続伸し前期の過去最高(141億7200万円)を連続更新すると予想されている。経済活動の正常化とともに内外の紙製品・パルプが持ち直し、主力の印刷・情報用紙の回復や海外子会社のパルプ事業の価格も回復することなどが要因となる。純利益は、前期は、日伯紙パルプ資源開発の株式売却益51億7500万円の上乗せで過去最高となり、今期は解散・清算した国内子会社の固定資産売却益約40億円の寄与で連続過去最高となる。配当は、年間14円(前期実績14円)を据え置く予定である。

 なおトイレットペーパー、ティッシュペーパー、ペーパータオルの家庭紙事業に進出するため約150億円を投資して新潟工場内に関連設備を建設し2023年12月に生産を開始する。また環境用途向けに需要拡大が予想されるRO膜支持体についても、タイに約60億円を投資して関連設備を新設して長岡工場とともにグルーバル生産体制を強化、同じく2023年12月の生産開始を計画している。

■25日線・75日線往来のゾーンを上抜き超低PER・PBR修正に再発進

 株価は、コロナ・ショック安で突っ込んだ320円安値から436円までリバウンドし、前期業績の下方修正でも350円安値で持ちこたえ、株式売却益発生で386円と買い直され、再々度の調整安値341円からは低位高配当利回り株買いや「ウイズ・コロナ」株人気で593円へ底上げ、今期業績のV字回復予想とともに年初来高値648円へ上値を伸ばした。足元では、25日移動平均線と75日移動平均線の間を往来するゾーン展開を続け、25日線を上抜いてきた。PERはわずか5倍台、PBRは0.51倍と超割安である。年初来高値648円奪回で弾みをつけ2019年3月高値674円、2018年1月高値744円を意識する上値追いが期待できそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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