【注目銘柄】丸山製作所は3Q高進捗業績で通期業績の再上ぶれを期待し突っ込み買いも一法

注目銘柄

■コロナ感染症向け除菌剤・消毒薬の噴霧器などの拡販進める

 丸山製作所<6316>(東1)は、今年8月10日に今2021年9月期第3四半期(2020年10月~2021年6月期、3Q)決算を発表し、大幅続伸して着地し、今年7月30日に上方修正した今9月期通期業績を上回る高利益進捗率を示しており、その上方修正値を据え置いた9月期通期業績に再上ぶれも期待されるだけに、下値は突っ込み買いも一法となりそうだ。新環境関連製品として新型コロナウイルス感染症向けの除菌剤・消毒薬の噴霧器などの拡販を進めていることも、側面支援材料と意識されることも想定される。

■3Q純利益は上方修正の通期予想業績を1億円超上回る

 同社の今9月期3Q業績は、売り上げ287億7600万円(前年同期比17.9%増)、営業利益15億9100万円(同2.69倍)、経常利益15億8800万円(同2・86倍)、純利益9億1200万円(同2.93倍)と連続の大幅増益となった。主力の刈払機が、アグリ流通では経営継続補助金政策効果で大型機械やセット動噴が伸び、ホ-ムセンター流通も刈払機が巣ごもり需要で好調を持続、海外向けの需要も堅調に推移したことなどが寄与した。環境関連機器分野では、新型コロナウイルス向けの除菌剤や消毒薬を散布する噴霧器や、微小な泡で新幹線車両などを洗剤なしで洗浄できるウルトラファインバブル(UFB)の拡販を進めた。

 一方、今9月期通期業績は、今年7月期に期初予想を上方修正し売り上げを20億円、営業利益を4億円、経常利益を4億2000万円、純利益を1億5000万円それぞれ引き上げ、売り上げ375億円(前期比7.5%増)、営業利益13億5000万円(同58.3%増)、経常利益13億円(同70.0%増)、純利益8億円(同23.4%増)と続伸を見込んでいる。3Q利益は、この上方修正された9月期通期予想業績をすでに2億8800万円~1億1200万円オーバーしたが、通期業績を7月の上方修正値を据え置いており、期末に向けての業績再上ぶれ期待につながっている。

■DC示現の陰の極からPER8倍、PBR0.4倍の修正に再発進

 株価は、今年5月の今期第2四半期(2Q)累計業績の上方修正を受けて1852円高値まで買い進まれ、その2Q累計業績が、その上方修正値を上ぶれ着地したことでさらに年初来高値1879円まで上値を伸ばした。ただ、今年7月の今期通期予想業績の上方修正では織り込み済みとして1669円と売られ、3Qの好決算では通期予想業績の据え置きに失望して1651円安値まで調整した。この急落で25日移動平均線が75日移動平均線を下抜くデッドクロス(DC)を示現して売り転換を示唆する陰の極となった。今年5月の年初来高値更新時も、25日線と75日線の急接近から急反発して示現しているだけ、PERが9倍台、PBRが0・48倍の売られ過ぎは要注目となり、リターン・リバーサルで突っ込み買いから年初来高値奪回の展開も想定範囲内となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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