ティムコは上値試す、21年11月期2桁増収・黒字転換予想

日インタビュ新聞ロゴ

 ティムコ<7501>(JQ)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。21年11月期は2桁増収・黒字転換予想としている。コロナ禍も背景として釣りやアウトドアの関連市場が拡大している。このような事業環境も追い風として22年11月期も収益改善基調だろう。株価は急伸して07年以来の高値圏だ。低PBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。

 20年11月期セグメント別売上高構成比はフィッシング事業が33%、アウトドア事業が66%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。

 基本戦略として、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドアブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。

 またネット通販や宣伝販売促進の更なる強化、フィッシング事業の強化、直営店フォックスファイヤーの販売チャネル見直しや不採算店舗整理による事業効率化、社内業務見直しによる販管費コントロール・経費削減なども推進している。

 なお19年4月にスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となっている。商品開発・販売などを共同展開する。

■21年11月期2桁増収・黒字転換予想、収益改善基調

 21年11月期の業績(非連結)予想(7月13日に売上高、営業利益、経常利益を上方修正)は、売上高が20年11月期比16.5%増の31億07百万円、営業利益が26百万円の黒字(20年11月期は1億34百万円の赤字)、経常利益が38百万円の黒字(同1億27百万円の赤字)としている。当期純利益は特別損失10百万円を計上するため0百万円(同2億28百万円の赤字)としている。配当予想は据え置いて20年11月期と同額の5円40銭(期末一括)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比39.9%増の15億03百万円、営業利益が25百万円の赤字(前年同期は1億06百万円の赤字)、経常利益が17百万円の赤字(同1億04百万円の赤字)、四半期純利益が35百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)だった。大幅増収で赤字縮小した。

 フィッシング事業は48.4%増収で113.9%増益だった。コロナ禍で3密を避ける屋外アクティビティとして「釣り」関連市場が拡大し、ルアー用品の新製品が好調に推移した。アウトドア事業は35.3%増収だが赤字がやや拡大した。アウトドア人気、直営店の増加、前年の1回目の緊急事態宣言に伴う臨時休業・時短営業の反動増などで大幅増収だが、値引き販売の影響や直営店舗増加に伴う運営経費増加で利益が伸び悩んだ。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高7億07百万円で営業利益60百万円の赤字、第2四半期は売上高7億96百万円で営業利益35百万円の黒字だった。第2四半期は営業黒字に転換した。

 通期ベースでもフィッシング事業が好調に推移し、全体として2桁増収で黒字転換予想としている。なお新型コロナウイルス感染症再拡大による緊急事態宣言に伴い、販管費に計上を見込んでいた経費の一部(直営店臨時休業等で期間中に発生した店舗スタッフ人件費、その他店舗家賃)を特別損失として計上する。

 コロナ禍も背景として釣りやアウトドアの関連市場が拡大している。このような事業環境も追い風として22年11月期も収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年11月末の株主対象

 株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 22年4月4日に移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果としてスタンダード市場への上場維持基準適合を確認したため、21年7月16日開催の取締役会においてスタンダード市場を選択することを決議している。今後はスタンダード市場の申請に係る所定の手続きを進める。

 株価は急伸して07年以来の高値圏だ。低PBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月7日の終値は938円、今期予想配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.6%、前期実績PBR(前期実績のBPS1824円37銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約31億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る