トレジャー・ファクトリーは22年2月期2Q累計黒字転換、通期大幅増益予想据え置き

(決算速報)
トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)は10月13日の取引時間終了後に22年2月期第2四半期累計連結業績を発表した。新規出店、既存店の売上増・利益率改善などで黒字転換した。通期の大幅増益予想を据え置いた。第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、下期は冬物衣料による単価上昇や、緊急事態宣言解除による事業環境好転などを見込んでいる。通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■22年2月期2Q累計黒字転換、通期大幅増益予想据え置き

22年2月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比28.2%増の107億36百万円で、営業利益が1億55百万円の黒字(前年同期は2億63百万円の赤字)、経常利益が1億81百万円の黒字(同2億22百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が45百万円の黒字(同2億66百万円の赤字)だった。

第2四半期に新型コロナウイルス感染症再拡大に伴う緊急事態宣言や気温低下の影響を受けたが、累計ベースでは新規出店(9店舗)、既存店の売上増、ピックアップジャパンの連結(20年10月子会社化)などで大幅増収となり、既存店の利益率改善なども寄与して各利益は黒字転換した。売上高、営業利益、経常利益は従来予想を上回って着地した。単体ベースの既存店売上は111.3%(3月が109.1%、4月が159.0%、5月が124.7%、6月が98.6%、7月が97.5%、8月が93.7%)だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が56億68百万円で営業利益が3億43百万円、第2四半期は売上高が50億68百万円で営業利益1億88百万円の赤字だった。第2四半期は新型コロナウイルス感染症再拡大に伴う緊急事態宣言の影響を受けた。

通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年2月期比20.8%増の226億36百万円、営業利益が7.5倍の8億04百万円、経常利益が4.7倍の8億18百万円、親会社株主帰属当期純利益が5億37百万円(21年2月期は1億34百万円の赤字)としている。また配当予想は6円増配の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

成長投資を継続して費用が増加するが、過去最高水準の新規出店(年間15店舗~20店舗の計画、第2四半期終了時点で9店舗出店完了、第3四半期以降は7店舗出店確定)や、DXへの取り組み強化による顧客利便性の向上などの効果で大幅増収増益予想としている。

第2四半期累計の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が19.3%と低水準の形だが、下期は冬物衣料による単価上昇や、緊急事態宣言解除による事業環境好転などを見込んでいる。なお21年9月の月次売上(単体ベース)は全店110.2%、既存店104.1%と順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

株価は上値を切り下げる形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。10月13日の終値は982円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円50銭で算出)は約21倍、時価総額は約114億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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