ヤマシタヘルスケアホールディングス、人件費増・投資先行も減益幅縮小で計画上回る、医療機器販売が好調

 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、7月11日に25年5月期連結業績を発表した。前期比では人件費の増加などで営業・経常減益だったが、計画を上回り営業・経常減益幅が縮小して着地した。また26年5月期は人件費の増加や物流センターリニューアルに係る費用の計上などで減益予想としている。ただし保守的だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は3月の高値圏から反落して上値を切り下げる形だ。目先は26年5月期減益予想を嫌気する動きが優勢になりそうだが、1倍割れの低PBRも支援材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■25年5月期営業・経常減益、26年5月期も減益予想だが保守的

 25年5月期の連結業績は売上高が前期比4.8%増の644億86百万円、営業利益が13.3%減の8億38百万円、経常利益が10.9%減の9億09百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.3%増の6億16百万円だった。なお特別損失では前期計上の減損損失2億円が一巡したため親会社株主帰属当期純利益は増益だった。配当は前期比5円増配の75円(期末一括)とした。配当性向は30.0%となる。

 前期比では人件費の増加などで営業・経常減益だったが、計画(24年7月12日付の期初公表値、売上高673億19百万円、営業利益7億71百万円、経常利益8億21百万円、親会社株主帰属当期純利益5億09百万円)を上回り、営業・経常減益幅が縮小して着地した。

 医療機器販売業は売上高が4.8%増の644億487百万円、営業利益(全社費用等調整前)が1.2%増の21億98百万円だった。売上高の内訳は、一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が6.9%増の94億13百万円、一般消耗品分野(汎用消耗品、手術関連消耗品等)が3.7%増の258億35百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が0.6%増の147億17百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が13.0%増の127億56百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が6.2%減の17億64百万円だった。一般機器分野の一般医療機器備品、放射線診断装置、一般消耗品分野の汎用消耗品、手術関連消耗品、専門分野の眼科関連機器などが増加した。また23年12月に子会社化した鹿児島オルソ・メディカルの連結も寄与した。

 医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)は、売上高が18.0%減の2億19百万円で営業利益が2億20百万円の損失(前期は1百万円の損失)だった。医療モール事業(賃料収入)は売上高が6.4%増の72百万円で営業利益が8.5倍の5百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が151億83百万円で営業利益が1億78百万円、第2四半期は売上高が161億79百万円で営業利益が3億44百万円、第3四半期は売上高が161億90百万円で営業利益が1億92百万円、第4四半期は売上高が169億34百万円で営業利益が1億24百万円だった。

 26年5月期の連結業績予想は売上高が前期比4.9%増の676億47百万円、営業利益が29.6%減の5億90百万円、経常利益が30.5%減の6億32百万円、親会社株主帰属当期純利益が42.6%減の3億54百万円としている。配当予想は前期比5円減配の70円(期末一括)としている。予想配当性向は49.0%となる。

 需要が堅調に推移して増収だが、人的資本投資に係る人件費関連コストの増加、山下医科器械の物流センターリニューアルに係る費用の計上、マイクロソニックにおいて開発中の超音波画像診断装置「ブラストスキャン」に係る研究開発費の計上などで減益予想としている。ただし保守的だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は3月の高値圏から反落して上値を切り下げる形だ。目先は26年5月期減益予想を嫌気する動きが優勢になりそうだが、1倍割れの低PBRも支援材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。7月11日の終値は2644円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS143円58銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の70円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3640円22銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約68億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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