【どう見るこの株】シーアールイーは目先的な売り一巡、22年7月期大幅増収増益予想で収益拡大基調

どう見るこの株

 シーアールイー<3458>(東1)は物流系不動産に特化した国内最大規模の不動産管理会社である。22年7月期は物流投資事業が牽引して大幅増収増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は急伸した9月の上場来高値圏から利益確定売りで反落し、さらに公募増資(10月11日発表)も嫌気して続落の形となったが、目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■物流系不動産に特化した国内最大規模の不動産管理会社

 物流施設を中心に、不動産管理事業(一括で借り上げて転貸するマスターリース、投資法人から運営管理受託するプロパティマネジメント、建設工事、リーシング)、物流投資事業(物流施設の開発・販売)、アセットマネジメント事業(投資家に対する運用・管理サービス、CREロジスティクス投資法人の運用)を展開している。

 21年7月期末時点で、物流系不動産を中心に1578物件・約173万坪の不動産の管理・運営を行い、物流系不動産に特化した管理会社として国内最大規模を誇っている。

 21年9月策定の第2次中期経営計画では、数値目標として26年7月期までに事業利益120億円、最終年度ROE15%以上を掲げた。物流不動産のワンストップサービスを提供する企業グループから、物流を支える全てのサービスの基盤となる企業グループ「世界の人とモノをつなぐ物流インフラプラットフォーム」への進化を目指す。

 既存領域の更なる成長戦略としては、物流投資事業を成長ドライバーとして5年で2000億円以上の開発、コアストック収益の拡大として不動産管理事業とアセットマネジメント事業における管理面積の拡大やCREリートのAUM倍増を推進する。さらに、新領域としての海外事業ではベトナムを中心とするASEANへの積極的な不動産投資、新規事業ではLIP構成企業群(はぴロジ、APT、A―TRUCK)の単独での収益化を推進する。

■22年7月期大幅増収増益予想で収益拡大基調

 22年7月期の連結業績予想は、売上高が21年7月期比29.5%増の616億円、営業利益が49.0%増の86億円、経常利益が43.0%増の76億円、親会社株主帰属当期純利益が39.9%増の59億円、配当予想が1円増配の24円(期末一括)としている。

 物流投資事業が牽引して大幅増収増益予想としている。事業別の計画は不動産管理事業が18.8%増収で5.6%減益、物流投資事業が42.2%増収で75.5%増益、アセットマネジメント事業が7.3%増収で13.3%増益である。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は急伸した9月の上場来高値圏から利益確定売りで反落し、さらに公募増資発表も嫌気して続落の形となったが、目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。10月22日の終値は1917円、時価総額は約527億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る